ダイエットの仕方間違っていませんか?
ダイエットしたい、健康のために痩せたい――、肌を露出する機会も増えるシーズンを迎え、ダイエット実現への思いも高まる時期だ。近年、そんな人たちに定着しきたのが「糖質制限」だ。「肥満の原因はカロリーよりも糖質」であることは、広く認知されてきた。厳しい制限ではなくても、「1日3食のうち1~2食はご飯を抜きにする」といった人も多い。
ただ、長年染みついた「カロリー制限信仰」は、なかなか頭から拭い去れないもの。肉や脂質に対しても相変わらず「カロリーが高くて太りそう」「健康に良くなさそう」というイメージがついて回り、ついつい敬遠しがちになってはいないだろうか。
しかし、実はこれ、間違いだらけの食べ方なのだ。カロリーを気にして「タンパク質」や「脂質」も控えると、私たちの体はエネルギー不足になる。そればかりか、同じ量を食べても、より太りやすいという二重苦に陥る……。
肉・魚の脂質が血糖値スパイクを防止
「太りにくい食事」は、食後血糖値のコントロールが重要なカギを握る。三大栄養素である糖質・タンパク質・脂質のうち、消化吸収されることによって血糖値を上げるのは「糖質」だけだ。
空腹時にご飯や麺、パンなどをたくさん食べると、消化吸収された糖質が急激に血糖値を上げる。すると膵臓からインスリンが大量に分泌され、上がった血糖値を素早く下げようとする。インスリンには、エネルギー源として使い切れなかった糖を脂肪に変えて蓄える働きがあるため、大量に分泌されるとより太りやすくなってしまうのだ。
もっと恐ろしいのが、普段は正常だが食後の短時間だけ血糖値が異常なほど上昇する「血糖値スパイク」という現象だ。将来、「糖尿病」に繋がる可能性が高いだけでなく、「動脈硬化」を進めて「脳梗塞」や「心筋梗塞」を引き起こす。さらには「認知症」や「がん」の発症リスクを高めることも指摘されている。
怖い血糖値の乱高下を予防するためには、糖質の吸収をできるだけ緩やかにすることが大事だ。ゆっくり時間をかけてよく噛んで食べるとともに、食事の前半で消化に時間がかかる脂質やタンパク質、食物繊維が豊富な野菜などを食べるのがよい。脂質やタンパク質を豊富に含む肉や魚を食べると、血糖値を抑える消化器ホルモンのインクレチンが分泌され、胃腸の動きが弱まるため、その後に食べるご飯やパンの糖質の吸収が遅れるのだ。