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勝間和代さんの同性愛公表が好反響なワケ〜LGBTでカミングアウトがなくなる近未来

勝間告白が開ける「扉」

 それにしても、思わず「豪華キャスト」と呼びたくなるほど役者が揃ったものだとも思う。勝間さんの同性/同棲愛告白はさまざまな反応を呼んだが、その相手や(相手の)元カノも斯界では有名な2人。

 ある意味「出来過ぎたコミック的展開」の唐突報ゆえか、「普通に意外ではないと思う」「何故だろう不思議と驚かない自分がいる」という異口同音投稿も多かった。

 敢えて匿名表記でおさらいすればこうだ。中央大学大学院の客員教授でもある経済評論家(49)が、慶応義塾女子高等学校の後輩にして「多様性が尊重できる社会」の実現を掲げる会社経営者(40)との同棲を明らかにした。

 後者は昨年末、約6年半に渡る元宝塚女優(33)との関係を解消ばかり。直後の年明けに経済評論家が会社経営者に気持ちを告白したことから両者は同棲を始めた。元タカラジェンヌも「素敵なおふたりのあたらしい関係を祝福して、心から応援しています!」と投稿した……。

 勝間さんの新パートナーは、LGBTのアクティビスト(活動家)にしてコンサルタント、美人研修講師としても知られる増原裕子さん(40)。2015年11月15日、宝塚OGで元カノの東小雪さん(33)と渋谷区「パートナ―シップ証明書」第一号を受理したことでも大いに話題を集めた存在だ。

 その後「同性パートナーシップ」導入市町村の数も、東京・世田谷区、三重・伊賀市、兵庫・宝塚市、沖縄・那覇市、北海道・札幌市と拡がり、中野区・福岡市・大阪市・千葉市が導入を検討中。増原&東(元)カップルが及ぼした影響力は絶大だろう。

 「(増原さんと)2人でどこか出かけても、私とマネージャーだと思われる。『何の取材ですか?』って。(そういう)お互いの関係性が良くないと思って、どうして堂々と言えないのかなって……」

 これは勝間さんの告白前の胸中談だ。今回初公開された勝間&増原ツーショット写真には「(勝間さんは)思い切ったなぁ/しかも相手は美人ですね」的な素直な反応も多く投稿された。

 勝間さんには『目立つ力』『結局、女はキレイが勝ち』『やればできる まわりの人と夢をかなえあう4つの力』などの自著がある。そして勝間さんと交流がある/なしにかかわらず、翌日の反響報道には概ね著名人からの「祝福と称賛コメント」が並んだ。

 もっとも、ネット投稿に目を転じれば、前掲の勝間談に対して「(男同士はいざ知らず)女性同士の場合は違和感ないと思うが……」とか、アクティビストの増原さんを指して「(今度の相手も)有名人、そっとやれないのかな、毎回毎回騒ぎ立てる必要あるんですかね?」的な苦言が飛んでいるのも事実。

 もちろん、著名人のカミングアウト一つで日本のLGBT問題が一気に解決するわけはない。当サイトの過去記事が何度も汲んだきたように「同意なき曝露(アウティング)」の課題から、T(トランスジェンダー)のトイレ使用に関する男性陣の不寛容比率まで、LGBT関連の障壁は山積だ。

 それでも勝間さんの告白効果が「カミングアウトという言葉がなくなる」自然体の近未来へと、コマを一歩進めた意義は大いにあるだろう。
(文=編集部) 

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