iQOSは吹かす焼き芋か
あるいは「iQOSのニオイ苦手」「紙タバコのほうがいい」「変なニオイする」「服にもつく」等々の実感に基づく敬遠意見は、嗜好当事者の妻や彼女(彼)と思しき方々の投稿に多い。
興味深いのは、対する嗜好派の大半意見が「これは臭わない(はずの)電子タバコですが、それがナニか!?」的に無頓着な投稿である点――「iQOSデビューしたけど、ニオイ付かないし部屋臭くなんないし良きですね」なんていう無臭ダ見解が、その代表格だろう。
要は電子タバコの場合、臭気をめぐる「吸う側/吸わない側」の見えない壁(嗅覚差)が、「好き/嫌い」が明確に表われる紙タバコよりも、数段高いのかもしれない。また、そのあたりが電子タバコという商品の巧妙さであり、あざとさであり、侮れなさなのかもしれない。
焼き芋などの印象臭に代表されるニオイの原因は、iQOSホルダーの(ヒートブレードに溜まった)汚れが発生させている可能性が高いとする説がある。
タバコ葉からニコチンを発生させる方途が、紙タバコの場合は燃やし、加熱式タバコの場合は文字どおり高温で加熱するわけだが、マナーとして「手入れ」を問われるのが後者の意外な盲点か。
リキッド系から発生するケミカル臭(薬品臭さ)の場合も、使用するアトマイザー環境の問題という可能性以外、リキッドの配合具合が問われるようだ。なかでも甘さ控えめのさっぱり味系リキッドでケミカル臭が目立つらしい。
自作リキッドの場合、フレーバー配分を増加すれば当然ながら味は濃いめとなるが、それも一定量を超えると味が変化して薬品臭が強くなる。とりわけ同種類のフレーバーを過剰配分するとケミカル臭が増してしまう。
なんだか「さっぱり味」とか「濃いめ」とか聞くと、麺屋でのやりとりを連想しなくもないが……。吸ったら使用まで45分のエレベーター規則、はたして全国的な趨勢となるのやら……。
従来派も加熱派も、煙にまけない臭気問題が新たな王手となることは間違いなさそうだ。
(文=編集部)