自分のかかとの幅に合わせて靴を選ぼう
最後に、すべての人に共通して心がけたほうがいいことを大平さんに尋ねたところ、「靴選び」という答えが返ってきた。
「多くの人が、足幅ばかり気にしています。『外反母趾だから、ゆったりした靴を選んでいます』と話す人は少なくありません。しかし、靴を選ぶときに最初に気をつけてほしいのは、自分のかかとの幅に合わせることなんです」
冒頭で述べたとおり、足には個性がある。かかとが大きい人もいれば小さい人もいる。それぞれのかかとの幅に合わせて、ぴったりと合う靴を選ぶのが第一条件なのだ。「かかとが合わない靴は、パカパカと脱げてしまうので、足の指に力が入って筋肉が縮こまってしまいやすいんです」と大平さん。
かかとの幅が合ったうえで、足の甲と足幅がフィットする靴を選ぶとよいそうだ。
スニーカーの場合は、靴底の厚さもチェックしよう。つま先部分よりもかかとのほうが1~2㎝ほど高くなっていると、安定感が増して、歩くときの体重移動がスムーズになるとのこと。
「靴はデザインが重視されやすいのですが、自分の足に合わないために痛みや動きにくさが生じると、日常生活にも支障が出てきます。もっと自分の足の個性を大事にして靴を選び、インソールを利用してほしいと思います」
(取材・文=森真希)
★インソールに関する問い合わせ
日本フットケアサービス株式会社(http://jfcs.sakura.ne.jp/)
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足のクリニック(http://ashi-clinic.jp/)
大平吉夫(おおひら・よしお)
日本フットケアサービス株式会社 代表取締役社長。中部リハビリテーション専門学校卒業。1993年 有限会社えびす義肢共同設立 。2002年 米国Langer Biomechanics社 バイオメカニクス研修 。2005年 米国San Antonio Foot&Ankle Center Dr,Glenn A.Ocker,DPM(足病専門医)と顧問契約締結、米国Integrity Orthotic Laboratories ,Inc との装具製作技術提携を開始。2006年 日本フットケアサービス株式会社設立。
森真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。