「ゴースト血管」はさまざまな病気を引き起こす
では「ゴースト血管(Ghost vessels)」とは何だろう?
動脈から静脈に移行する部位にある毛細血管の一部が消失(ゴースト)するために、血液が通わなくなり、血流機能が停止した状態の毛細血管、それが「ゴースト血管」だ。
なぜ「ゴースト血管」が生じるのだろう?
毛細血管は、加齢とともに減少するからだ。30代から少しずつ壊れ始め、40代半ばから活動しない血管量が急増する。
さらに60~70代になると20代よりおよそ3~4割も減少するため、細胞が酸素不足や栄養素欠乏になり、毛細血管の機能低下や劣化によって、動脈硬化、肝臓病、認知症、骨粗しょう症などの重篤疾患の発症につながりやすい。
しかも、年齢とともに増えるシミ、シワ、たるみ、くすみなどの肌トラブルや、冷え、むくみなどの女性特有の悩みの引き金にもなる。
加齢に伴って、毛細血管の減少や機能低下が進むことから、「ゴースト血管」を「無機能血管」とも呼ぶ。
老化や病気を防ぎ、アンチエイジングの切り札になるのが「毛細血管力」ということになる。
それでは「毛細血管力」をアップするにはどうしたらいいのか?それは、副交感神経を優位に保ちつつ、毛細血管を開く時間を確保し、毛細血管に血流を促すことに尽きる。
毎日の規則正しい食事、ストレスのコントロール、血流を上げる適度の運動、入浴、睡眠が鍵だ。
ちなみに、「ゴースト血管」については、たとえば、以下のような「毛細血管」の基礎・応用研究や臨床研究が続けられているので参照して欲しい。
●「血管はどのように形成されるのか?血管新生と組織幹細胞の分子機構の研究」(大阪大学微生物病研究所 高倉伸幸教授(http://st.biken.osaka-u.ac.jp)
●「角膜ゴースト血管の研究」(オックスフォード大学 Concise Medical Dictionary (8 ed.) Oxford University PressPrint Publication Date: 2010Print ISBN-13:)
●「毛細血管の生理学に関する研究」(Wiley Online Library onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1113/jphysiol.1921.sp001985/pdf)
●「血管機能の非侵襲的評価法 動脈硬化を診る研究」(広島大学原爆放射線医科学研究所ゲノム障害医学研究センター 東幸仁教授(http://www.c-linkage.co.jp/myakuha_k/data/history/16/el01.pdf)
これからの健康の新たなテーマは「毛細血管力」になりそうだ。
(文=編集部)