心臓病と闘うための食事と生活スタイル
三杉淳の心臓病の克服――を現実の医療事情から補足すると、たとえば「アメリカ心臓協会(American Heart Association:AHA)」の2006年勧告によれば、「心臓病と闘うための健康的な食事と生活スタイル」の内容は次のように詳細に及んでいる。
あくまでも一例の要約だが、以下の通り。
カロリーを摂り過ぎない(体重の維持)。毎日30分の適度な運動。穀物の半分超を非精白の全粒穀物に。多種な野菜と果物を食べる。皮を取り除いた脂肪の少ない肉を選ぶ。乳製品は低脂肪のものを。週2回は魚を食べる。加糖ドリンクは極力減らす……など。
他にもコレステロールは1日当たり「300㎎」以下、ナトリウムは「2300㎎」未満とか、摂生の自覚と数値上の厳格さがいくつも問われる生活を強いられる。
これが大人版となると、アルコールは男性で1日「2杯」、女性で同「1杯」まで。タバコは吸わない。タバコの煙に近づかないなどの条項が加わる。それで思い出す、現実の出来事がある。
松田直樹選手と心筋梗塞
ファンにはいまだ記憶に新しい悲劇といえるだろう――。2011年8月2日の午前中、長野県下で練習中の元日本代表・松田直樹選手が、急性心筋梗塞を発症。信州大学病院に緊急搬送されるも、意識不明の重体のまま4日深夜に亡くなった(享年34)。
心筋梗塞の場合、通常は高血圧・糖尿病・肥満症の患者や、運動不足・ストレス・喫煙等が要因で動脈硬化の進んだ中高年に多いもの。松田選手のような30代での心筋梗塞例は稀少(全体の2〜3%とか)だったことから、当時、専門医の間では「喫煙」の履歴が原因として囁かれたという。
2013年に女優・天海祐希さん(当時45歳)が軽度の心筋梗塞で入院したというニュースは、決して心筋梗塞=高齢者ではないことを認識させた一件だった。さまざま要因が重なって起きるといわれる心筋梗塞だが、そのリスク因子を減らす生活を心がけるしかない。
一方、架空の克服選手である三杉淳は、その後、ポジションを自らリベロにコンバートしてユース代表に選出されるなど活躍。
2001年のJリーグ(FC東京)開幕戦では、東京スタジアム(現・味の素スタジアム)の電光掲示板にその雄姿がアニメ画像で登場するや、居合わせた観衆の大喝采を浴びて変わらぬ人気ぶりを示した。
そんな「ガラスのエース」の復活劇、テレ東版『キャプ翼』では、どう描かれるのだろうか? 現実のW杯ロシア大会同様、キックオフがなんとも待ち遠しい!
(文=編集部)