会議や打ち合わせも立ちながら行えば痩せられる!(depositphotos.com)
メールが普及し、会議も買い物もインターネットできる現代。私たちが1日の中で「座る」時間は年々長くなってきた。しかし、ヒトにとって「座る」というライフスタイル自体が健康に悪影響を及ぼす……。
近年、座る時間が長ければ長いほど、がんや心臓疾患、糖尿病、うつ症状等のリスクが上昇することが多くの研究で解明されてきた。しかも、たとえ毎日、運動をしていたとしても、座る時間が長ければ病気に罹るリスクはほとんど軽減しない。非常にやっかいな問題だ。
とはいえ「健康にいい」「病気を予防する」と理屈ではわかっていても、「座りっぱなしの生活」を「立って過ごす生活」に切り替えるのは骨が折れる。目に見える効果や目的がなければ、モチベーションが続かないだろう。
では、日々のデスクワークを立って行うだけで、知らないうちにダイエットできるとしたらどうだろうか?
ジムに通う時間はないけど減量したいという人が、1月31日付の『European Journal of Preventive Cardiology』(オンライン版)に掲載された研究発表を知れば、「毎日あと数時間は立って過ごそう」という気持ちになるかもしれない。
論文64本から減量効果が明らかに
米メイヨー・クリニックのFrancisco Lopez-Jimenez氏らの論文によれば、座って過ごす代わりに立って過ごすだけでエネルギー消費量が増加することが、46件の研究データのメタ解析で明らかになったという。
Lopez-Jimenez氏らは今回、「座っている場合」と「立っている場合」のエネルギー消費量を比較検討した46件の研究のデータを解析した。全研究の対象者は合計1184人。平均年齢33歳で60%が男性であり、平均BMIは24、平均体重は65kgだった。
その結果、座る代わりに立って過ごすと、エネルギー消費量が1分当たり0.15kcal増えることがわかった。たとえば、体重65kgの成人が1日6時間をスタンディングデスクでの立ち仕事にすれば、1日当たりのエネルギー消費量が54kcal増えることに相当する。これは約16分のウオーキングと同等だ。
そしてその成人が立って過ごす時間をそのまま維持し、食事の量にも変化がなければ、1年以内に2.5kg、4年以内に10kg減量できると推定された。