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【シリーズ「AIと医療イノベーション」第24回】

「IoT」を医療やヘルスケアに特化した「IoMT」は未来の医療を激変させる

IoMTは3050億ドル(32兆3300億円)もの膨大な医療費の削減効果を生む!

 ニューヨークに本社がある国際金融グループのゴールドマン・サックス社は、2015年6月に発表した「米国の医療業界のIoT活用におけるデジタル化動向に関する報告書」で、 IoMTのベネフィットを「遠隔監視」「遠隔医療」「行動修正」の3大カテゴリーに集約している。

IoMTなら「遠隔監視」できるので、世界中のどこにいても常時、患者は医師や介護者に直結できる。たとえば、糖尿病患者は常に血糖値を監視しながら、データをスマートフォンを使ってルーティング(制御)し、医師と電話やビデオ会議を介してリアルタイムでコミュニケーションをとりつつ、医師の処方やアドバイスを正確に確認できる。

 その結果、患者の病気への関与意識や治療を選択する能力が強化され、アドヒアランス(服薬遵守)が高まり、予防へのモチベーションが向上するので、患者のケアの改善につながる。   

 その結果として、IoMTによる「遠隔医療」は、高コストの救急医療への患者の依存を減らし、医薬品の服用、適切な栄養管理、運動のスケジュールなどを適切にサポートできるので、患者の行動変容や「行動修正」を促す重要な役割を果たせるというのだ。

 ゴールドマン・サックス社の推計によると、 IoMTは将来的に3050億ドル(32兆3300億円)以上の医療費の削減につながると予測。

 特に「遠隔監視」は、米国の医療支出のおよそ3分の1を占める心臓病、喘息、糖尿病などの慢性疾患患者のケアにかかる2,000億ドル(21兆2000億円)もの膨大なコストをカットできると見込んでいる。

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