「頬」の高さが見た目の若さを決める
この結果を踏まえてAlam氏は「男性や若い女性も、顔面エクササイズによって同じような効果が期待できる」とコメント。
そして、「このエクササイズ単独で充填剤やレーザー治療などの代わりにはならない。しかしそうした治療にエクササイズを加えることで、より効果を増強できる可能性がある」と付け加えている。
顔のエクササイズだけで3歳若くなれるかもしれない――という報告は、女性にとってとても魅力的だが、一方で気がかりな点もある。
お気づきのように、試験のメニューは「1日30分で20週間継続」という、なかなかハードなもの。実際のところ、今回の27人の被験者のうち11人が途中で脱落してしまったのだった……。
今回の臨床試験に関与していない同大学皮膚科学のSteve Xu氏は「もともと小規模な上に、多くの脱落者が出たことは留意すべき」と指摘。しかし、それでもなお、この研究の意義を賞賛。Xu氏は「顔の老化は皮膚の上層が薄くなり、下層でコラーゲンやエラスチンが失われ、脂肪や筋肉が減るなどの複雑なプロセスだ」と説明。
その上で、「頬の高さは魅力的な顔の重要な要素。これが崩れると頬の張りが失われ、顎のたるみにもつながる。したがって、エクササイズによる顔の筋肉の強化でこのようなプロセスを食い止めるというのは理にかなっている」とコメントしている。
読書やテレビを観ながらでも簡単にできる
女性の見た目年齢を決めるのは、「目元」や「口元」よりも「頬」だというのは、近年の定説になってきているようだ。
たとえば、工学院大学とポーラ化成は、2015年に「見た目の年齢を決める際は特に頬が重要な部位であることを解明した」と発表。
それによると、頬の高い部分が光ってみえる「白トビ」が加齢によって曖昧になってくることや、表情の変化と頬の皮膚の動きが追いつかずタイムラグが出てくることが、見る人に老け顔の印象を与えるのだという。
最近は日本でも「顔ヨガ」や「あいうえお体操」など、顔面の筋肉を鍛えて頬に張りを与えるさまざまな方法が紹介されている。前出のように効果を感じるまでには少し時間がかかるかもしれないが、なにしろ室内で読書やテレビを観ながらでも簡単にできるのが良いところだ。
固まった顔を思い切り動かして筋肉をほぐすのは気持ちがいいし、ストレス発散にもなる。運動不足な冬こそ、顔面エクササイズを毎日の習慣にして、すっきり張りのある頬のラインで若返りを計ってみてはいかがだろうか。
(文=編集部)