依存しやすさの背景にはアクセスの容易さ
この報告についての米国の専門家たちの反応は「さほど驚くべきものではない」というものだった。米ミシガン大学のScott Campbell氏は「食べ物やアルコール、セックス、買い物などと同様に、インターネットの使用も過剰になると有害だ」とコメントしている。
依存症にはさまざまな種類があるが、「対象となる物質や行動に、いかにアクセスしやすいか」が依存症患者の数と大きく関連しているのは確かだ。
日本では、アルコールの手に入りやすさや、どの街中にもパチンコ店があることが、アルコール依存症やギャンブル依存症の患者数が高止まりしている背景となっていると指摘されて久しい。
スマホ依存がやっかいなのは、どの依存症の対象物と比べてもアクセスしやすい。つまり、いつでもどこでも使い続けていられるということ。スマホ依存の広がりが深刻さを増し続けているのはある意味必然なのだ。
日本は、15歳から39歳の若年層の死因の第1位が自殺となっている、世界でも極めて特殊な状況にある国だ。中高生にとってのスマホ依存が自殺と関連していることを証明した今回のアメリカの研究結果は、日本にとってもいっそう憂慮すべきニュースだと言える。もはや対策は急務である。
(文=編集部)