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【連載「肥満解読~痩せられないループから抜け出す正しい方法」第14回】

子供が「糖質制限」しても安全か?30年で「子供の生活習慣病患者」が世界中で激増

子供の糖質制限についての教科書は三島塾と『Fat Chance』

 北九州で学習塾を経営されている三島学さんは、塾の子供たちにも糖質制限の食事を勧めています。勉強にも情動的にも素晴らしい成果が記されていて(糖質制限が子供を救う)、そのレシピ本も出ています。

 カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の小児科の教授であるLustigさんは、以前から小児の糖質、特に果糖摂取の危険性を説き続けられています。論文も本もいくつも出ています。2014年に上梓された『Fat Chance』(Hudson Street Press)にも小児のさまざまな患者さん(糖尿病だけでなく、発達障害や精神神経疾患も含む)に糖質制限を指導した際、どのような効果があったかについて詳細に記載されています。

 以上のように、子供の糖質制限に関してはさまざまな情報が手に入ります。「大規模なリサーチのエビデンスのない医学情報の公開は許されない! 有識者と行政で監督してネットの医学情報に規制をかけるべきだ!」と叫ぶ学者さんもいるかもしれませんが、手に入る情報を読んで各自で判断していただく、今の時代はそうあるべきだと私は思います。もちろん、自分で十分に判断する能力を身につけることが何よりも重要ですけれども。

※お詫び
記事中の<母乳は高タンパク質、高脂質、低糖質>は、<母乳は低タンパク質、高脂質、高糖質(ただし乳糖)>の間違いです。筆者から訂正が入りました。近いうちに、ブドウ糖、果糖、砂糖、乳糖などの糖類に関する記事を用意する予定とのことです。

連載「肥満解読~痩せられないループから抜け出す正しい方法」バックナンバー

吉田尚弘(よしだ・ひさひろ)

神戸市垂水区 名谷病院 内科勤務。1987年 産業医科大学卒業、熊本大学産婦人科に入局、産婦人科専門医取得後、基礎医学研究に転身。京都大学医学研究科助手、岐阜大学医学研究科助教授後、2004年より理化学研究所RCAIチームリーダーとして疾患モデルマウスの開発と解析に取り組む。その成果としての<アトピー性皮膚炎モデルの原因遺伝子の解明>は有名。
その傍らで2012年より生活習慣病と糖質制限について興味を持ち、実践記をブログ「低糖質ダイエットは危険なのか?中年おやじドクターの実践検証結果報告」を公開、ドクターカルピンチョの名前で知られる。2016年4月より内科臨床医。

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