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【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」32回】

「消臭スプレー」の成分表示が甘すぎる 含まれる成分は本当に安全か?

「スプレーで衣服の汚れは落ちない」

 国内でもっとも知られているのが、この「ファブリーズ」ですが、宣伝方法に抗議が出たことがあります。

 2012年10月に愛知県クリーニング生活衛生同業組合(名古屋市)が「ファブリーズで(衣服などを)洗おう」とのCMに対して、「スプレーで衣服の汚れは落ちない」と消費者に注意を呼びかけるポスターを3000枚作成し、愛知県内のクリーニング店に配布しました。CMでは小さな字で「汚れを落とすわけではありません」と流れていましたが、「洗おう」と言えば、誰もが汚れも落ちると思うはずです。

リセッシュ除菌EX(花王)は香り残らない?

 この商品は「香りの残らないタイプ」を強調しています。それなら無香料にすべきです。消臭スプレーに香りを付けるのは、無臭の都市ガスやプロパンガスに臭いをつけているのと同じ。これは消費者にガス漏れの危険性などを知らせるためですが、リセッシュにも同様の効果を狙っています。

 花王のHPで「ミクロミストスプレーで細かい霧が空間まで消臭」と製品の特徴を紹介していますが、これは恐ろしいことです。霧状の化学物質の粒子が小さければ小さいほど、肺から吸収されることになってしまうからです。そんな霧状の化学物質が大量に部屋の空間に漂っていては大変なことです。その危険性が分かるように香りをつけているのです。

 除菌剤の微粒子を体内に吸収して健康にいいわけがありません。使い過ぎや換気にはくれぐれも注意が必要です。

シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」バックナンバー

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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