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【シリーズ「AIと医療イノベーション」第20回】

AIとIoTの情報支援コラボレーションで「周産期の妊産婦」を見守る実証実験がスタート

安全で安心な妊娠・出産のために、妊娠リスクスコアをつけよう!

 たとえば東京都は、周産期母子医療センターと連携しながら、ミドルリスクの妊産婦に対応する周産期連携病院を指定している。

 周産期連携病院は、24時間体制で自院のかかりつけ以外のミドルリスク妊産婦の搬送受入れに対応しつつ、地域の診療所からの紹介(搬送)や周産期母子医療センターからの逆紹介を受け、産科手術(帝王切開術、子宮外妊娠手術など)や内科合併症のある妊産婦の母体管理を行っている。

 平成29年4月1日現在、東京都の周産期母子医療センターは、27施設(総合13施設、地域14施設)、周産期連携病院は10施設、NICU(新生児集中治療室)は329床ある。東京都は、周産期母子医療センターの空床状況を確認できる「周産期医療情報ネットワーク」「周産期医療関係者に対する研修」「周産期医療に関する調査・研究」も運用している。

ハイリスク妊娠・妊婦への対応と訴訟の多さなどから、とかく敬遠されがちな産科医だが、こうしたICTの導入で疲弊している周産期医療の健全化を期待したい。
(文=佐藤博)


佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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