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「ウコン」に薬効なし? 飲み会前の救世主にプラセボ疑惑が!

ウコンの主成分クルクミンの薬効は?

 秋ウコンには、約5%前後の精油成分(エッセンシャルオイル)と約5%のポリフェノール類(クルクミン)が含まれている(Govindarajan VS.(1980) "Turmeric--chemistry, technology, and quality." Crit Rev Food Sci Nutr. 1980;12(3):199-301.(PMID 6993103)。

 「C.I.75300」や「Natural Yellow 3」とも呼ばれるクルクミンは、ウコンの根茎に含まれる黄色い活性成分で、染料の原料にもなる。クルクミンには、pH7.4以下の酸性~中性溶液中では黄色だが、pH8.6以上のアルカリ性溶液では明るい赤色に変化する特性がある。

 クルクミンは、ターメロン(胆汁の分泌促進)、シネオール(胆汁や胃液の分泌促進)、α-クルクメン(コレステロールを溶かす)、クルクモール(抗がん作用)、β-エレメン(腫瘍の予防)、カンファー(健胃・殺菌)などの有効成分を含むとされる。また、ウコンの根茎には、鉄分などの微量元素、食物繊維、デンプン、カリウム、ビタミンC、カロテンなども多い。

 クルクミンと精油成分の含有比率は、秋ウコンと春ウコンとで異なる。秋ウコンはクルクミンと鉄分が豊富で精油成分は乏しいが、春ウコンは精油成分が比較的豊富だ。国立健康・栄養研究所のデータベースによれば、秋ウコンは、クルクミン・ターメロン(利胆)、ジンギベレン、d-α-フェランドレン、シネオール(防腐)などの成分を含むことから、消化系・肝臓の症状改善、利胆(胆汁の分泌促進)、健胃などの薬効があるとしている。

ウコンの主成分クルクミンに薬効なし?

 秋ウコンには副作用の報告もある。摂取量、摂取期間、摂取した患者の詳細は不明だが、薬剤性肝障害22例のうち、ウコンによるものが11例、日本肝臓学会の診断基準を満たした薬剤性肝障害の症例(14施設、84症例)のうち、ウコンによる薬剤性肝障害は約25%を占める。

 ただ、医療機関で処方される漢方薬にウコンを含有する薬剤はない(水野瑞夫「日本薬草全書」2000年)が、クルクミンの大量摂取による肝臓の脂肪変性の報告もある(石田聡他「健康食品による薬物性肝障害」2004年)。

 先述のように、ウコンの根茎には鉄分が豊富に含まれているので、たとえば、鉄過剰を起こしやすいC型慢性肝炎患者の場合は、肝臓に過剰な影響を及ぼすリスクが高まる。肝疾患患者への投与による死亡例も見られる(「ウコン摂取で肝障害 肝硬変の60代女性、症状が悪化して死亡」産経新聞2004年10月19日)。

 肝障害患者が市販のサプリメントの通常量を服用し、重篤な状態に陥った症例や、秋ウコンによって自己免疫性肝炎を併発した症例も見られる(木村吉秀「ウコンによる薬物性肝障害により影響を受けた自己免疫性肝炎の例」/中本譲「ウコンの人体に及ぼす影響及び副作用についての検討」)。 また、秋ウコンを含有した外用薬によるアレルギー性皮膚炎の発症例もある(矢島純「診断と治療」巻760増刊号)。

 このように、ウコンの根茎は、クルクミンや鉄分の他、多様な成分を含むことから、ウコン自体の生理活性作用は明確でないため、有効性や安全性は検証できないとする見解がある(健康・栄養ニュース第15号P5/独立行政法人 国立健康・栄養研究所)。

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