ラケット競技以外にも注目に値するスポーツが!
先の論文でStamatakis氏は、以下のように言及している。
「今回の私たちの知見は、個人の運動量やその頻度だけではなく、スポーツの種目によっても差が生じることを示唆しています。ラケット競技の優位性が示しているとおり、特定のスポーツへの参加は健康面でさまざまな恩恵をもたらす可能性が高いといえる」
ちなみに、彼らの研究で因果関係が証明されたわけではない。だが、前掲のラケット競技以外(水泳とエアロビクス)でも、全原因による早期死亡リスクが約30%低下と関連づけられる結果を得られた。
ほかにも<自転車を漕ぐ人たち>は、早期死亡リスクが15%低い結果がはじき出された。なかでも心疾患による死亡リスクに関しては、水泳を嗜む層では41%、エアロビクスで汗を流す層では36%低下という数値が注目に値する。
「既存のエビデンス(科学的根拠)を用いた私たちの観察結果は、今後、スポーツ業界や健康促進用の運動プログラム、あるいは一般的な身体活動を企画・実施する多くのセクターにとって一つの支援材料になるはずだと自負している」(同氏・談)
今夏のリオ五輪での熱闘に魅せられ、思わず「バド、やるぞ!」と密かに決意したものの、いまだに一歩を踏み出せてはいない方々。きっかけは一つの感動や共感、いいや「最初はカッコ(良さ)から」でも、始めてみてはいかが。
(文=編集部)