40代になると涙腺がゆるくなる?
それにしても映画界や出版界はいうに及ばず、テレビの実録系番組も相変わらずの「泣ける(泣かす)」演出が横行中。話題のメモリプレイも極めて地上波的な演出ぶりを連想させる商品展開だ。
数年前にも「思いっきり泣こう!」「涙腺崩壊注意!」などを謳うイベント上映会が話題を集めたりもした。
メモリプレイの模様が流された日の『中居正広のミになる図書館』自体が「泣ける歌」特集だったが、注目すべきは涙腺の話題が「40代あるある」の視点で取り上げられていた点だ。
槇原敬之さんの『遠く遠く』の想い出を語ったデーブ大久保さん(49)も、沖縄の夕日をみて「今日も一日ありがとう」と明かした田中律子さん(45)も、中居さんよりは少し上のアラフォーゲストだった。
たしかに「涙」には、身も心も含めてストレス解消を促してくれる効用があるという。
セロトニン(癒しホルモン)にもない涙特有の効果が免疫力を高める働きもすれば、感涙によってストレス解消のカギを握る「副交感神経」や「共感脳」、「セロトニンの分泌」を活性化させるからだ。
ところが、注意したいのが、「涙もろさ」が更年期障害の黄色信号でもある点だろう。とりわけアラフォーの方々の場合、日常化したイライラ感や怒りっぽさ、に入り混じっての涙もろさは「不定愁訴」の可能性も捨てがたい。
原因は、(代表的な女性ホルモンである)エストロゲン分泌の減少に伴う自律神経の働きの乱れにある。それを「自分の性格」と割り切らずに、その可能性も視野に入れることは大切かもしれない。
『号泣する準備はできていた』とは江國香織さんのヒット小説だが、感涙映画や観たり、感動小説を読んだりして、意識的に思いっきり泣けるのも、健康な証しだろう。さて、あなたは号泣する準備はできていますか?
(文=編集部)