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インフルエンザウイルスは1年中存在するのに、なぜ冬だけに「暴走」するのか?

免疫防御をかいくぐって生き残るA型ウイルス

 人間は体内に侵入したウイルスを排除する適応免疫や獲得免疫と呼ぶ免疫機構を備えている。これは恒常性維持と生体防御に大活躍する生体の生命線だ。そのため、たとえウイルスに感染しても、いったん回復すると抗体が生成されるため、再感染はしない。

 しかし、突然変異を起こしやすいA型は、ウイルスの表面にある2種類の突起、HA(赤血球凝集素)とNA(ノイラミニダーゼ酵素)の抗原性を毎年、変化させるので、免疫防御を巧みにくぐり抜けて生き延び、流行を繰り返す。これを連続抗原変異という。

 抗原性の変化が大きれば、以前にA型に感染して免疫があっても、再び別のA型の感染を受け、症状も重くなる。

 さらに、A型は10~30年ごとに突然、別の型に大変身し、大流行をもたらす。これを不連続抗原変異という。香港A型の流行から29年、ソ連A型から20年がすでに経過しているので、パンデミックは近いかも知れない。 

 しかし、ウイルスによって形成された免疫記憶は、2回目の遭遇には増強される。この獲得免疫のプロセスこそが、インフルエンザワクチン接種の根拠だ。
(文=編集部)

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