MENU

常に「孤独」「ぼっち」を感じる人の14~27%に遺伝的影響! 恋人ができるかもDNAで決まる?

恋人ができにくい「孤独遺伝子」

 類似の先行成果としては、一昨年、中国の北京大学が発表して話題を呼んだ「孤独遺伝子」の発見がある。そちらは「恋人の有無が分かれる年頃」である中国人学生600人を対象に選び、彼らの頭髪サンプルから遺伝子が解析された。

 その結果、中枢神経系にあるセロトニン受容体(Serotonin receptor、5-HT receptor)が特定の種類である人の場合、別の種類の人たちよりも「恋人がいない」確率が高かったという。被験者600人のうち、遺伝の影響下で特定タイプを持つ人の「恋人あり」率は39%、それに対し、もう一方のタイプの後者層は同50.4%と勝っていたそうだ。

 前者のタイプはセロトニン(別名「幸せホルモン」)の生成が少なく、社交面でも心の壁を抱えやすくて、うつ病などに罹りやすいとされている。

 一方、この孤独遺伝子の存在理由に関しては負の面ばかりでなく、「伝染病などで種が絶滅してしまわぬよう、ある種『ノアの箱舟』的に存在している遺伝子なのではないか」と仮説を唱える研究者もいるそうだ。

「慢性的な孤独感の多くは環境的な要因によって生じている」

 中国人の若者600人を対象とした「孤独遺伝子」の先行発見に対し、50歳以上の人生経験者1万1000人を選んで「長きにわたる孤独感」の実相に迫った米国勢の最新知見。それでも遺伝子要因に関しては「慢性的な孤独感のうち、まだ、その約4分の1しか説明できていない」とpalmer氏は述べている。

 「つまり、今回の我々の研究結果が示唆しているのは、慢性的な孤独感は生まれつきの要因(DNA)が4分の1であり、むしろ多くは環境的な要因によって生じているということだ」

 古代ギリシアの哲学者、アリストテレスは「多数の友を持つ者は、一人の友も持たない」と言った。かの文豪、夏目漱石も「のんきと見える人々も、心の底をたたいてみると、どこか悲しい音がある」と書いた。

 今年の12月24日も「クリぼっち」の予感……だったとしても、自ら望んで静かに過ごす「solitude」ならばいいんじゃない! 
(文=編集部)

関連記事
アクセスランキング
専門家一覧
Doctors marche