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パラリンピックは<感動ポルノ>か? リハビリが原点となった<障害者スポーツ>の歴史

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リハビリが原点の障害者スポーツ「乗馬」(shutterstock.com)

 9月8日、リオデジャネイロ・パラリンピックが開幕した。それに伴い、各メディアは「パラアスリート(障害者スポーツの選手)」や、スポーツに取り組む障害者の姿にスポットを当て、テレビ番組もにわかに特集している。

 先日、NHK教育テレビジョン(Eテレ)の『バリバラ』が、『24時間テレビ』(日本テレビ系)の裏で「障害者=感動」を<感動ポルノ>という視点でタブーに切り込んだ。はたして、<感動・頑張る障害者>のイメージが結びつきやすいパラリンピックも<感動ポルノ>となるのだろうか?

 一般的には、「障害者は生活全般が困難」と思われがちだ。もちろん、抱えている障害によって、健常者と同じようにはいかないこともある。だが、それぞれ生活スタイルを確立し、仲間との交流や趣味活動などをもって、生活を充実させている人は少なくない。

 そうした活動のひとつに、スポーツがある。身体能力の維持や向上を目的とする人もいれば、気分的にリフレッシュしたいという人もいる。それは、健常者と変わらない。

 なかには、以前からたしなんでいたスポーツを再開する中途障害者もいるが、「障害者スポーツ」との新たな出会いを楽しむ人は多い。

エクササイズやレクリエーションにとどまらない効果

 そこには「障害」とされる部分をプレイヤーの「機能」として捉えた、障害者スポーツならではの独特な魅力がある。実によく研究され、ルールやツールも精査され、柔軟に改善なされる。

 障害者スポーツは、リハビリテーションに通ずる点が多い。素材や構造を追求したスポーツ用具も、実は福祉用具に似通う点が多い。医療と福祉、どちらの分野にも共通項がある。単なるエクササイズやレクリエーションにとどまらないのだ。

 実際に、医療現場で取り入れられている障害者スポーツもある。たとえば「乗馬」だ。今回のパラリンピックに「馬術競技」がある。対象者は、肢体不自由あるいは視覚障害の選手だ。

 障害者乗馬の歴史は、肢体不自由者のリハビリに始まる。古くは古代ギリシャで、リハビリ目的の乗馬があったようだ。1900年代のイギリスで、第一次大戦の負傷兵たちの機能回復に乗馬を取り入れたのが、近年の障害者乗馬の源といわれる。

ドイツではリハビリ目的の乗馬が保険適用

 

 馬は、ただ乗っているだけでも、馬の歩行の揺れやリズムが良い刺激となる。自分では動かせない筋肉も、馬上では自然と動かされる。

 先天性障害で歩行困難な人は、そもそも足の筋肉が「歩く感覚」を知らないが、馬上だと人の歩行運動によく似た足の「動かし方」になる。足の筋肉が「歩く感覚」を学習し、リハビリ効果がぐんと高まる。

 そして、馬の平均体温は37〜38度と温かく、馬体にまたがると筋肉がほぐされ、リハビリ効果を高める。馬上では、体のバランスを保つ必要があるため、平衡感覚が養われる。もちろん、体を支えるための腹筋や背筋も鍛えられる。

 たとえば、自力で上半身を起こせなかった側湾症の患者も、乗馬を始めて回を重ねていくと、体が起立できるようになる。

 こうした乗馬のリハビリ効果は、ヨーロッパ各国では広く認められている。ドイツやスイスでは、医療保険も適用される。医師の指示(処方箋)のもと、理学療法士などの医療専門職が立ち会って、計画的にリハビリ乗馬(療法的乗馬などと呼ばれる)が展開されるのだ。

 乗馬療法士という資格職も存在する。馬文化が根づいているので、乗馬に親しんでいる医療従事者が多いのも、日本との大きな違いだろう。

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