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LGBT、性的マイノリティーの「生きづらさ」の正体~精神的な苦痛と自殺リスクに目を向けて

65%が自殺を考え、15%が自殺未遂

 欧米では以前から、LGBTの人たちの自殺願望や自殺を企てる割合が、一般より高いとたびたび指摘されてきた。

 ひるがえって日本でも、数千人のゲイとバイセクシュアル男性を対象としたインターネット調査において、ゲイ・バイセクシュアル男性の特性不安・抑うつ・孤独感が高く、自尊心が低いという結果がある。

 さらに約半数が「ホモ」「オカマ」などといじめられた経験を持ち、65%が自殺を考えたことがあり、15%が実際に自殺未遂を経験している。

 家族にさえ理解されず、いじめられ続けることで染み付く自己否定感や、社会に受け入れられない孤独感。また、身の回りにロールモデルとなる存在が極端に少ないため、人生設計を見いだせず、将来に希望を持てないことも生きづらさの要因になる。

 性的少数者の多くは差別を恐れて、周囲にカミングアウトしない。そのため、自殺で亡くなっても、その動機は公にならない。性的少数者の自殺リスクの高さが認識されにくいのは、この問題が可視化されないことによると専門家は指摘する。

 いちばん大切なのは、多様な性のあり方を多くの人が理解することだ。正確な知識を持ち、無意識での偏見や差別的な言動をしてないか、セルフチェックしたい。彼らのメンタルヘルスを損ね、ついには自殺に至ってしまう要因の一つにあることを、多くの人たちが知るべきだ。
(文=編集部)

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