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【インタビュー「女性に多い膠原病とは何か?」第2回 東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター 田中栄一医師】

風邪と間違われやすい膠原病 38度以上の高熱、関節の痛みや朝起床時の手のこわばりがあったら要注意!

指先が寒さで真っ白になる「レイノー現象」

――ほかの膠原病の症状についても教えてください。

 女性には冷え性の方も多いと思いますが、指先が寒冷によって真っ白になることがあります。これを「レイノー現象」と呼びます。寒いときや緊張した時に手指の血管が収縮して、手指の色調の変化を示します。手指が蒼白色に変わり、しびれ感が生じます。レイノー現象を認める代表的な膠原病が、全身性強皮症です。SLEなどの他の膠原病でも認めることがあります。

 全身性強皮症は、末梢の循環障害(レイノー現象)に加え、皮膚が硬くなる(皮膚硬化)を特徴とする病気です。日本では、約2万人の患者さんがいるとされています。男女比は1:3〜5でやはり女性に多い病気です。内臓の様々な臓器に線維化と呼ばれる変化が起こり、そのため、肺線維症、肺高血圧症、消化管障害、心筋障害、腎機能障害などへの進展することもあります。

――これまで膠原病の兆候として、関節痛、持続する発熱、レイノー現象を挙げられましたが、他の代表的な膠原病の症状は何でしょうか?

 さまざまな症状が起こりえます。口内炎、脱毛、目の霞み、ドライアイ、ドライマウス、筋力低下、倦怠感、しびれ、浮腫、紅斑のような皮膚症状、リンパ腺の腫れなど膠原病の種類にもよりますが、さまざまな症状が起こり得ます。膠原病の種類によって、また同じ病気であっても個々の患者さんによって、初期症状もまちまちです。

 上記に示したような症状が続いた場合は、できるだけ専門医がいる医療機関で診察を受けられることをお勧めしたいです。

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