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【連載「国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか?」第15回】

腰痛に「リリカ」は効かない!? 治るどころか副作用も~痛みのメカニズムが違えば対処も変わる!

痛みのメカニズムが違えば対処も変わる

 このように、痛みにも種類があり、それぞれメカニズムが異なり、対処法も違ってくるのは当然だ。そこで、医療機関で腰痛を診てもらう場合、自分の痛みの種類をできるだけ的確に説明することが、適切な薬の処方につながってくる。

 腰痛の痛みは全て同じものだと捉えてしまい、安易に薬を服用している場合は、もう一度、自分の症状を分析してみることが大事だ。しかも、薬には必ず副作用がある。だからこそ、気軽に薬を飲むことは、そもそもおすすめできない。

 いまやリリカは、ロキソニン同様、よく処方されるポピュラーな薬だ。だが、いくつか報告されている副作用のなかで頻度が高いのが、ふらつきやめまいだ。その他にも頭痛、便秘、睡眠障害などが明記されている。

 神経由来の痛みでないのに、その選択を誤ってリリカを飲めば、治るどころか、これらの副作用に見舞われる危険性だけが増えていくのだ。

 日本では、医療機関では安価に、市販薬だと容易に、薬を入手することが可能だ。ついつい、目の前の腰痛を何とかしたい取り除きたい一心で頼ってしまうが、腰痛に対して効く薬はほんの一握りである。

 このことを、もう一度認識して、専門家の意見を聞きつつ、運動や生活習慣の見直しなども組み合わせて、腰痛と対峙してもらいたい。


連載「“国民病”腰痛の8割以上はなぜ治らないのか?」のバックナンバー

三木貴弘(みき・たかひろ)

理学療法士。日本で数年勤務した後、豪・Curtin大学に留学。オーストラリアで最新の理学療法を学ぶ。2014年に帰国。現在は、医療機関(札幌市)にて理学療法士として勤務。一般の人に対して、正しい医療知識をわかりやすく伝えるために執筆活動にも力を入れている。お問い合わせ、執筆依頼はcontact.mikitaka@gmail.comまで。

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