では、テキストネックになるとどんな症状が現われるのか。頭部の重さをうまく分散できずに、首の痛みや疲れが生じやすくなる。また、神経が通る椎間孔が狭くなってしまうために、腕や手にしびれや痛みが生じる可能性がある。
頚部の骨の配列がずれてしまうと、それが頭痛やめまいの症状を引き起こしてしまう。スマホをいつも使っている人で、頭痛やめまいを起こしている場合、このテキストネックになってしまっている可能性が考えられる。
さらに、テキストネックは、うつ病などの心因的な問題も引き起こすことがある、と報告されている。
そのテキストネックを防ぐには、まず使いすぎを防ぐことがいうまでもない。だが、それが難しい場合、定期的に姿勢をリセットすることがなによりの予防だ。
15分に一度はスマホから目を離し、上を見上げたり、首を回したりして、筋肉のこりや姿勢をリセットしよう。それにより、血流量も上がるし、頚部の負担もリセットされる。
たとえば1日の使用制限時間を設定すると、現在の利用総時間を教えてくれたり、制限時間が近づくとアラートで警告してくれたりするアプリもある。スマホの使用時間を管理することで、ライフバランスを見直すきっかけにもなる。活用も考えてみたい。
また、正しい姿勢も大切だ。椅子に座ってスマホを扱う場合、頭を前に出しすぎないようにすること。背筋をしっかりと伸ばしているか注意したい。
時代の変遷とともに私たちの“道具”も移り変わる。パソコンのキーボードの使用過多による弊害が、今度はスマホのようなモバイルデバイスへ移行してきたわけだ。携帯性に富んだ機能が災いとなり、使用時間の超過がもたらした。テキストネックは腰痛や肩こりに続く、現代人の多くが悩まされる病になるかもしれない。
(文=編集部、監修=三木貴弘)