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【インタビュー「患者サイドも医療サイドも満足の“日帰り手術”を!」第3回 東京ヘルニアセンター・執行クリニック院長 執行友成医師】

開業医では無理といわれていた「日帰り手術」 さらなる普及のために新たな資格を創設!

higaeri03.jpgDSコーディネーターが手術の注意点や準備などについて細かに説明してくれる(執行クリニックの公式HPより

 1998年、個人のクリニックで初めて鼠蹊(そけい)ヘルニアの日帰り手術が行われた。執刀したのは、東京・神楽坂の執行(しぎょう)クリニックの執行友成医師。開業医が日帰り手術を行なうのは前代未聞と言えるほどの出来事で、これまでに7000例以上の日帰り・短期滞在の鼠蹊ヘルニア手術を行なって来た。

 それを実現できたのは、クリニックのスタッフとのチームワークのなせる技だという。

 「私は在宅医療も行なっていますので、日帰り手術と在宅療養中の患者さん訪問、そして外来の診察を同時進行させるには、ある程度スタッフに任せることが必須です。そこで、看護師、事務スタッフ、放射線技師らコメディカルスタッフ(医療従事者)としっかりと役割分担をし、ひとつのチームとして動いています」

 その中でも特に重要な働きをしてくれるのが、「DS(Day Surgery=日帰り)コーディネーター」だ。これは日本短期滞在外科手術研究会が認定する資格で、6年前に執行医師によって立ち上げられた。現在、39名が認定されている。

DSコーディネーターがいなくては日帰り手術は難しい

 DSコーディネーターとは、どんな役割を果たすのか?

 「患者さんが受診したときから、検査、手術、さらには退院後までのトータルケアを行なうのがこの仕事。医師が1人の患者さんにさほど時間を割けない代わりに、DSコーディネーターが術前術後のことや手術の注意点、準備などについてきめ細かに説明します。患者さんは医師には聞けないけど、コーディネーターになら聞きやすいということもあるようです。納得がいくまで話を聞けるので、みなさん安心して手術に臨まれています。術後も、電話訪問をして患者さんの体調を管理しています」

 資格取得には、「看護師経験3年以上」「日帰り・短期滞在手術を100例以上経験していること」などの条件があり、さらに講習会、学会に参加し、論文を提出しなくてはならない。論文で落とされる受験者もいるという。ハードルは高いが、それだけにこの資格を取得すればスタッフの自信や責任感にもつながるだろう。

大病院にはできないことを

執行友成(しぎょう・ともしげ)

東京ヘルニアセンター・執行クリニック院長、神楽坂DSマイクリニック院長、日本短期滞在外科手術研究会代表世話人。1952年、東京生まれ。1981年、東京医科大学卒業後、東京警察病院外科に入局。1991年、執行クリニックを開院。1998年には神楽坂訪問看護ステーションを、2001年には神楽坂ヘルパーステーションを開設するなど、在宅医療にも深く関わる。2003年に神楽坂DSマイクリニックを開設。著書に『鼠蹊ヘルニア(脱腸)は、入院しなくても治る!』(如月出版)がある。

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