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【シリーズ「子どもの心と体の不思議のサイエンス!」第8回】

三つ子の魂百まで!? 赤ちゃんの脳のシナプスが1〜3歳頃にピークを迎えるのはなぜ?

 シナプスの数が1〜3歳頃にピークを迎えるのは、なぜか?

 シナプスの過形成と刈り込みが起きる理由は、よく分かっていない。だが、脳に何らかのダメージが起きた場合に備えて、シナプスをあらかじめ多めに作っておく働き(過形成)に関係があると考えられる。未熟な赤ちゃんを守るために、万一に備えてシナプスを多く蓄える過形成という巧妙な仕掛けが赤ちゃんに備わっているのだ。

 たとえば、ニューロンやシナプスが増加した状態は、細い小道が縦横無尽に走っているような状態だ。だが、1〜3歳くらいになると、よく使うシナプスを太く丈夫にするために、周辺のシナプスを減らして(刈り込んで)、情報伝達を効率よく行っている。

 このように、シナプスの過形成と刈り込みは、情報の流れをスムーズにスピーディにするために、たくさんある細い小道を一本の幹線道路にひとまとめにする状態によく似ている。まさに、三つ子の魂百まで。頭でっかちの赤ちゃんだが、脳の中では、脳の大きさ(成長)と機能(発達)が二人三脚しながら、赤ちゃんがスクスク育つように用意周到に準備しているのだ。
(文=編集部)

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