背中やお腹の筋肉をはじめとする組織に負担がかかり、腰痛などのケガを引き起こしてしまう可能性が高い。また、ベルトが両肩の後ろに引っ張られるため、血管や神経の通り道を圧迫してしまう。長時間その刺激が続くと、しびれや麻痺などの症状が現れる(同じようなメカニズムで起こるのが胸郭出口症候群である)。
加えて、バックパックの両方のベルトに不均等な重さがかかると、左右不均等に筋肉が発達してしまったり、片足だけに余分な負荷がかかってしまったり、最悪の場合、側弯症などにつながってしまう。
このように、バックパックに大量の荷物を入れたり、間違った方法で背負っていると、さまざまなリスクが生じる。それらを防ぐためには、まず第一に「重すぎるバックパックを背負わない」こと。
重い荷物を毎日持ち歩くことが必要か再考を
いつも重い教科書を持ち歩いているなら、学校に置いておくのも子どもの発育にとっては重要だ。大人も、ノートパソコンや重い荷物を毎日持ち歩くことが必要か、再考すべきだ。
そして、バックパックを背負う時の方法にも注意したい。重いバックパックを床から、あるいは机から持ち上げて背負う時は、きちんと膝を曲げ両手で抱えるようにしよう。
ちなみに、日本の小学生の通学鞄といえばランドセルが定番。「ランドセルは重い」というイメージがあるが、30年ほど前は平均1500〜1700gだったものが、現在では平均1200gにまで軽量化されている。軽いものだと800gのもある。
さらに、最新のランドセルは、肩ベルトの部分にさまざまな工夫がほどこされ、肩のラインにフィットする形のものや、負担を分散させる機能がついていたりするなど、細かな配慮がほどこされている。いまや、ランドセルは機能的にもハイテクな道具である。
いずれにしても、バックパック型のカバンは、デザインもさることながら、荷物の重量や負担の軽減を考えて使用することが、体へのダメージを和らげる大切なポイントになる。
(文=編集部)