しかし、フランス人はいまだに週に1度くらいしか入浴しないという。その理由のひとつには、「体の皮脂や汚れを洗い流すと健康が損なわれる」と考えられている点にある。これは、フランスの医療に根付くデカルトの考え方からきているそうだ。
また、フランス人が積極的に入浴しようとしないのは、気候も関係している。温暖湿潤な日本では、肌が蒸れやすく、入浴は頻繁に必要になる。その点、ヨーロッパの乾燥している地域では、入浴の必要性が薄くなる。そもそも、フランスは水道代が高いという背景もあるようだが......。
医学的にも石鹸はそれほど必要ではない?
週に1回しか風呂に入らない人たちがいるくらいだから、毎日入浴する習慣のある日本人は、毎回石鹸を使わなくとも問題ないように思える。さらに、加齢とともに皮脂の分泌量が減るため、石鹸でゴシゴシ洗う行為は、皮脂を取りすぎてしまう。
医学博士である岡田正彦氏の著書『医者が絶対にすすめない「健康法」』によると、「肌に負担をかけないためには、石けんを使わず手のひらでやさしくなでるように洗ったほうがいい」とある。岡田氏自身も、石鹸をあまり使わないと綴っており、使うときは手の平でなでるようにするだけという。
肌の乾燥が気になる季節へ移る前に、一度 "タモリ式"入浴法を試してみてはどうだろう。皮脂の状態が改善し、衰えた潤いとハリも回復するかもしれない。
(文=編集部)