肥満に悩む50代サラリーマンAさんの場合、好物はとんかつなど肉食系で、遅い帰宅でもビール片手にたっぷり夜食を摂る。ベッドに入るのは日をまたいでからのことが多く、なかなか寝付けないのが普通だという。
こんな状態になると、覚醒コントロールに重要な働きをしている脳内の視床下部ニューロンから産出される神経ペプチド「オレキシン」(睡眠ホルモン)が覚醒中枢に過剰に働き、同時に食欲中枢も刺激し食欲を亢進する。肥満を助長させるというのだ。
ニワトリが先か卵が先かの話ではないが、第一の原因は乱れた生活習慣にある。教授らの研究でもそれは明らかだ。最近はオレキシン阻害薬などが登場し、不眠治療が前進しているようだ。しかし、薬に頼る前に快眠するための生活習慣の見直しが先決。夜型から朝型生活にスイッチの切り替え、質の高い睡眠を確保したい。
(文=編集部)