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ビルの冷却塔や配管の管理不十分で、レジオネラ菌が増殖し感染症の原因に!?

 2件目の報告では、2011~2012年に発生した環境水または未確定の水への曝露による18件の疾患流行(10人が死亡)のうち、15件がレジオネラ菌によるものであったとしている。4件がホテルやモーテル、3件が病院、3件が長期療養施設で発生しており、オフィス、工場、トレーラーハウスでも流行がみられたほか、装飾用の噴水に関連するものも3件あった。

 レジオネラ菌をはじめとする細菌の増殖を防ぐには、さまざまな水道システムの管理が不可欠であると、研究著者らは述べている。

 日本では厚生労働省が1999年4月に、感染症新法によりレジオネラ症を、デング熱、日本脳炎、マラリアなどと同じ第4類感染症として定めている。診断技術の進歩もあるが、患者の発生数は年々増加傾向にある。(2001年86人、2005年281人、2010年751人、2012年903人~感染症発生動向調査:2013年5月15日現在)。

 感染症による死亡者は減少傾向にあるといわれるが、後遺症として肺の機能低下などQOLを損なう可能性は高いため軽視はできない。冷却塔の中でレジオネラ菌が繁殖に適した水温は20℃~50℃、夏場は冷却水の温度が上昇し、菌が繁殖しやすいので注意が必要だ。
(文=編集部)

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