MENU

【特集 芸能人の復活リハビリ物語その5】

柳沢慎吾さんがぎっくり腰! 再発防止のポイントは日常生活での心がけしかない

 リハビリは初回でも、慢性の(繰り返す)ぎっくり腰でも、大きな違いはないという。

 「動作をサボっている箇所(硬いところ)は柔らかく動くようにし、動きが過剰になっている不安定な腰椎部は筋肉で補強するということになります。ただ、何度もぎっくり腰を繰り返して何十年も腰痛に悩まされているような場合は、より集中的なリハビリが必要かもしれません」

 まずは日常生活でぎっくり腰にならない予防を心がけることが大事だ。それにはストレッチと筋力強化が不可欠と、瀬戸口先生が強調する。

 「ストレッチと筋力強化の他に、重要なのは、腰に過剰な負担をかけないような姿勢や動作を学ぶことです。ストレッチは、腰部に隣接している上下の部分、つまり股関節と大腿部(太もも)や上半身をストレッチすると良いでしょう。ポイントとしては、腰は捻らずできるだけ真っ直ぐにした状態で、弾みをつけずにじっくりとストレッチし、腰に負担をかけずに行うことです。腹筋を鍛える場合は、股関節を90°ぐらいに曲げて、足を椅子などの上に乗せて行う『クランチ』と呼ばれる方法をお勧めします。仰向けに真っ直ぐ寝た状態から起き上がるような方法や、伸ばした脚を持ち上げるような腹筋トレーニングは腰椎が不安定な場合には逆に腰を痛めることもあるからです。背筋を鍛える場合も、腰の反りが過剰にならないように、少し腰を起こす程度に留めたほうが良いでしょう」

 柳沢慎吾さんのぎっくり腰の原因(床から物を持ち上げる動作)から、予防を考察すると、次のようになる。

 「股関節や膝をあまり曲げずに腰をたくさん曲げて床の物を取ったとすると、曲げた腰を伸ばすことで物を持ち上げることになります。一方、股関節と膝をしっかり曲げて腰を落とすと、腰椎部は真っ直ぐなままとなり、股関節と膝を伸ばすことで物を持ち上げることができます。つまり、腰の屈伸で持ち上げると過剰な負担が腰にかかり、脚の屈伸で持ち上げれば腰の負担は減ることになります」

 ぎっくり腰になってしまったら、慢性にならないようにリハビリをしっかり行うことが必要だ。「ならないようにする」ためには、日常生活で、なるべく腰の負担を減らすように心がけたいものである。
(取材・文=夏目かをる)

関連記事
アクセスランキング
専門家一覧
Doctors marche