積極的休息にカラオケはぴったりshutterstock.com
毎日、仕事をこなし、満員電車に揺られて帰るともうグッタリ。シャワーだけはなんとか浴びて、ベッドに倒れこんでしまったり、休日には一日中エアコンの効いた部屋でゴロゴロしたりという人も多いかもしれない。
しかし、実はそんな疲れには「積極的休息」が有効なのをご存知だろうか。
積極的休息と消極的休息
一般的に"休息"というと、「座ってじっとして動かずにいる」「身体を横にする」というイメージがある。これは"消極的休息"と呼ばれ、確かに「それ以上疲れることはない」。しかし、「疲れをとり身体を回復させる」という観点からは、効果が薄い場合もあるという。
ロシアの生理学者、セチェーノフが発見した「右手を疲労させ、それを回復させる時に、左手を動かしたほうが回復が早まる」という「アクティブレストの法則」がある。
疲労している時に身体の活動を止めてしまうのではなく、適度に低い負荷で筋肉を動かすことで筋肉のポンプ作用を活性化させる。そうすることで心臓への静脈帰還が促進され、また代謝もあげることができる。つまり、じっと休むより適度に筋肉を動かしていたほうが回復が早いという論理だ。
適度な運動で頭もリラックス
疲れた時ほど、すぐに横になるのではなく「積極的に軽い運動をする」。それによって血行が促進され、老廃物の回収も早まり、疲労の回復を早めることができる。手軽にできる安全な運動としては、軽いジョギングや水泳、ヨガなどのストレッチが効果的だ。
さらに、軽い運動をすることで「脳がリラックスする」という効果も期待できる。ジョギング、縄跳び、ダンスなど、一定のリズムにのって筋肉の緊張と弛緩を繰り返す有酸素運動をおこなうことで、脳は余計なことを考えずにすむようになる。加えて、酸素を十分に取り入れることができるのでリラックス状態を作り出すことができる。
頭の疲れを同時に癒すという意味では、ウオーキング、さらに負担でなければ軽いランニングも効果的だ。人間の筋肉の約7割は足腰に集中しており、そのなかでももっとも太い筋肉が大腿筋(太ももにある筋肉)だ。筋肉からの脳の刺激は筋肉の太さに比例するので、足腰を使う運動をすることで脳に適度な刺激を効果的に与え続けることができる。
さらに、屋外をウオーキングすることにより、景色や匂いを感じ、振動や風の流れを皮膚で感じるため、さまざまな角度からたくさんの刺激を脳に複合的に与えることができる一種の「脳のマッサージ」効果を期待することができる。