気温が高い晴れた日のベビーカーは要注意
shutterstock.com環境庁環境保健部が策定した『熱中症環境保健マニュアル(2011年5月改訂版)』によると、熱中症を起こしやすい年代のピークがある。男性は0~4歳、15~19歳、55~59歳、80歳前後、女性は0~4歳、80~84歳だ。
10代~60代は、男性のほうが女性よりも熱中症で亡くなる割合が高い。男性は、青年期のスポーツ時の運動強度が強く、中年期は仕事による身体のへの負担が大きいためと考えられている。
特に注意すべき人は、やはり乳幼児、高齢者、病人だ。
乳幼児は大人より新陳代謝が活発で体温が高いが、汗腺の発達が未熟なので、うまく体温調節できない。炎天下の車の中など体温よりも温度が高い場所では、短時間で体温が急上昇するため、生命に危険が及ぶ。
気温が高い晴れた日に、乳幼児をベビーカーに乗せて外出する時は、注意しよう。晴れた日は地面に近いほど気温が高い。たとえば、気温が32℃の時、地面から50㎝の高さでは35℃、5㎝の高さでは36℃以上になる。
乳幼児の熱中症を防ぐポイントは、子どもを十分に観察し、顔が赤く、汗を大量にかいていたら、すぐに日陰などの涼しい場所へ移る。暑さに応じて、脱ぎ着できる服装を選ぶ。水分をこまめに飲ませる。日頃から外遊びに慣れさせ、暑さに負けない身体をつくるなどだ。
高齢者は、加齢とともに、脂肪がつきやすく、体の中の水分の割合が少なくなる。暑さや喉の渇きを感じにくく、十分な水分補給が遅れるので、熱中症にかかりやすい。しかも、心機能や腎機能が低下しがちなため、重篤になりやすい。
死亡の7割は皮下脂肪が多い肥満ぎみの生徒
小学・中学・高校生はどうか? 学校で発生した死亡事故の7割は、肥満傾向のある生徒に集中している。皮下脂肪が多い人は、体の中の熱を逃がしにくく、重い身体を動かすために、より多くの熱が発生する。暑さに慣れていない人、体力や持久力の低い人なども暑さに弱いので、気をつけよう。たとえば、まだ運動に慣れていない運動部の1年生などは、体のコンディションを掴み切れていないためにムリをして、熱中症にかかる場合がある。
その他、寝不足や疲労がたまって体調不良の時や、二日酔いや下痢で体内の水分が減っている時などは、体温調節する機能が低下しているため、熱中症を起こすリスクが高い。要注意だ。
糖尿病、心疾患、腎臓病、高血圧、精神神経系の疾患、広範囲の皮膚疾患で治療を受けている人は、熱中症を発生しやすく、重くなりやすい。以前に熱中症になった経験のある人も注意しょう。
(文=編集部)