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【腸内細菌を徹底解剖 第11回】

排便記録アプリ「うんコレ」も開発! エンジニアやデザイナーが立ち上げた「日本うんこ学会」とは?

 例えば、大腸がん予防のために排便観察ではなく、カードを引きたいから排便観察するというように、モチベーションを煽る必要がある。便を観察すると、何らかのインセンティブやモチベーションにつながればいい。トイレの中でスマホをいじりながら、ゲーム感覚で記録できればいい。

 こうして「うんコレ」は幕を開けた。

ゲームを楽しみながら、大腸がんの検診の輪を広げよう!

 「うんコレ」は、ゲーミフィケーションを用いた健康習慣の獲得につながる行動変容の適例だろう。ゲーミフィケーションとは、ポイントやスコアやアイテムの獲得などのゲーム性を取り入れ、利用者のモチベーションや競争意識を高めるマーケティング手法だ。排便観察をせず、進行がんが発見された場合なら、手術、抗がん剤治療に数百万円の治療費がかかる。「うんコレ」で早期発見できれば、治療費は1/3に収まる。

 「うんコレ」は、うんこの擬人化ではなく、腸内細菌の擬人化という新たなカードゲームのコンテンツだ。トイレでスマホゲームをするだけで、健康状態に応じた検診のオススメが出る。課金の代わりに、うんこ報告をすれば、レアカードが引ける。あらゆる大腸菌が住まう国ウントピアの住人たちは、大腸菌を身にまとい闘う。身にまとう大腸菌によって戦闘能力のスキルが変わる。「うんコレ」は、自分の排便状況を報告しながら遊べる世界初のカードゲームプロジェクトだ。

 このように、「うんコレ」は、楽しく健康管理することをテーマに、排便状況の観察によって健康意識を高めながら、大腸がんの検診や検便へつなげる健康情報のプラットフォームをめざしているのだ。

 「うんコレ」は現在、本業の傍ら、プログラマー、SE、アニメプロデューサー、イラストレーター、音楽家などがボランティアとして協力して開発している。興味があるボランティアスタッフも募集中。「うんコレ」のリリースは、iOS版、Android版ともに、2015年の夏以降の予定だ。

「腸内細菌を徹底解剖」バックナンバー

佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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