MENU

アレルギーの原因となる"ダニ"の撃退法を徹底解説! 布団・床・畳・じゅうたんの正しい掃除法は?

効果的なのは、布団丸洗い、高密度繊維防ダニ寝具、電気毛布

▶︎丸洗い......◎
 布団の丸洗いは家庭では難しいが、業者に頼めばフンもダニも洗い流せる。さらに、高温乾燥機で大腸菌や黄色ブドウ球菌なども激減し、清潔に仕上がる。

▶︎天日に干す......○
 ダニは全滅とまではいかず半減程度。布団を干すと叩く人がいるが、これはやってはいけない。綿の中のフンが表面に出てくるので、むしろアレルゲンが2~3割増えてしまう。

▶︎表面に掃除機をかける......○
 これも天日干し同様に半減程度の効果しかない。

▶︎圧縮ビニール袋に入れる......◎
 ただし、入れるだけではダメ。除湿剤を入れて袋内の湿度を50%以下にするのがミソだ。これでダニは死滅する。使用時には袋から取り出して日に当て、掃除機をかけよう。
 
▶︎防ダニ寝具を使う
 これは防ダニの方法によって効果が異なる。
▷ダニ忌避剤による「防ダニ」寝具......△
 忌避剤の効果は、それほど続かない。せいぜい数か月だ。
▷高密度繊維による「防ダニ」寝具......◎
 側生地に高密度繊維を使うと、ダニもフンも中に入り込めず、効果が長年続く。しかも薬剤を使用しないので安全だ。

▶︎電気毛布を使う......◎
 敷きっぱなしのベッドは意外に不衛生だ。重いマットを干すのは骨が折れるが、電気毛布を使うとダニを撃退できる。朝起きたら中レベルで加熱して夜までおくとダニは9割方死滅する。夏は布団が温まっていると不快なので、早めにスイッチを切ろう。電気敷き毛布ならなおよい。

▶︎布団乾燥機を使う......◎
 マットが届く部分は全滅するが、届かない場所ではダニが逃げ出す。マットの位置をずらしてまんべんなく熱が届くようにしよう。マット無しタイプも同様にすべての場所に熱が届くようにする。

床・畳・じゅうたんのダニ撃退法

 フローリングの床はダニに強い。掃除機を1回かければ全滅する。さらに水拭きすればフンも99%除去できる。

 い草の畳は少なくなったが、1日1回の掃除機かけではダメで、日に何度かかける必要がある。だが、現代の畳はほとんどが化学畳なので、1日1回でよい。ただし、じっくりと時間をかけるのがコツだ。1平方メートル当たり20秒以上かけると、表面の90%のダニを除去できる。6畳の部屋なら約10平方メートルだから、3分間あまり掃除機をかけることになる。

 じゅうたんは丁寧に掃除機をかけても、ダニは2%しか減らないという悲しい結果に。クリーニングに出してもフンは取れにくいので、じゅうたんは使わないのがベストだ。ただし、冬の間だけ使うなら、繁殖の盛んな夏の間はしまっておけばよい。その際は防虫剤を忘れないこと。密封できるビニール袋を使えば、しまっておく間にダニは全滅する。秋に取り出したら、掃除機をかけて死骸を吸い取ってから使い始めるとよい。

 ホットカーペットの場合は、使用中は高温になるからダニは死ぬ。春に保管する時は、いちど加熱してから掃除機をかけること。秋に取り出したらまず加熱し、掃除機をかけて死骸を吸い取るのは、じゅうたんの時と同様だ。

 ダニは気温10~35℃、湿度50%以上で生きられるが、気温25~30℃、湿度60~80%で最も繁殖が盛んになる。まさに今、そしてこれからのシーズンだ。加えてフンアレルゲン値が日本は非常に高い。

 WHO(世界保健機関)による判断基準では、チリ1gあたりのフンアレルゲン量が2μg以下は安全、それを超えると抗体のできる要注意ゾーン、10マイクログラム以上でぜんそく発作を発症する危険ゾーンだ。ところが日本の平均は約20マイクログラムといわれている。

 今回ご紹介した撃退法で、少しでもダニを減らして病気を遠ざける生活を送りたいものだ。
(文=編集部)

関連記事
アクセスランキング
専門家一覧
Doctors marche