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月経(正常な月経)

【病気の知識】

月経とは

 女性のからだは、妊娠・出産という大切な機能を備えています。その機能が整うと、月経がはじまります(初潮)。初潮の年齢は、近年はからだの成長に合わせ、12歳前後(生理は身長との関係があり、背の高い人は早く、小柄な人は遅い傾向があります)になってきました。

 月経とは、約30日前後の間隔で起こり、また限られた日数で自然に止まる子宮内膜より起こるの周期的出血のことをいいます。

 月経は、卵巣から分泌されるホルモンによって支配されています。したがって卵巣の機能障害や子宮に異常があると月経は不順になります。また卵巣の働きは、間脳(視床下部)や脳下垂体によって調節されていますので、間脳-脳下垂体-卵巣-子宮のいずれかに異常があると月経は不順(※詳細は「月経不順」をご参照ください)になります。

どうして起こる月経

 卵巣内にある卵胞が、発育・成熟すると、卵胞ホルモンを分泌しはじめます。卵胞ホルモンの分泌により子宮内膜は、血管の分泌腺を発達させ、厚みを増し、排卵後の準備をはじめます。排卵した卵胞は、黄体へと変化して、黄体ホルモンを分泌し始めます。黄体ホルモンのはたらきにより、子宮内膜はさらに血管の分泌腺が発達し、厚みをまして受精卵が着床しやすい状態を形成します。しかし、受精や着床がおこなわない場合、子宮内膜は必要がなくなり、少しずつ黄体は萎縮・白体化してホルモンの分泌が止まります。ホルモンが得られなくなった子宮内膜は、組織を保てなくなりそれが月経出血となり体外へ排出されるのです。

月経周期とは

 月経がはじまった日から、次の月経のはじまる前日までを月経周期といいます。25日~35日くらいが一般的ですが、周期や日数は人それぞれで、年齢、すなわち思春期、性成熟期、更年期により月経周期の臨床的意義は異なります。

 また、生理の14日(±2日)前が排卵日です。従って今回の生理と次の排卵日とは無関係で生理中に性交しても妊娠することがあります。

 思春期では、からだが卵巣機能が不安定なので、月経周期が不整であることがしばしば見られます。成熟女性の月経は25~35日周期で、3~7日間持続するものを正常としています。

 月経周期の異常では、月経周期が24日以内のものを頻発月経、また36日以上たっても月経がこない場合を稀発月経といい、いわゆる月経不順とよんでいます。

基礎体温

 女性が毎朝連続して起床時に測定した体温を「基礎体温」といいます。健康な女性の基礎体温は、低温相(卵胞期)と高温相(黄体期)に分かれます。月経後しばらく低温が続き、低温から高温の移行期に排卵が起こって、その後高温がつづきます。そして月経がはじまる頃下降し、次の周期になります。

 基礎体温は、脳下垂体と卵巣から分泌されるホルモンのはたらきにより上下するので、何らかの病気や体調が悪かったり、また生活リズムの乱れやアルコールの摂取などにより規則的な体温の変化が見られないこともあります。また、妊娠や腫瘍性疾患(絨毛がん、胞状奇胎等)では、黄体ホルモンが分泌されつづけるので、基礎体温は高温のままとなります。基礎体温は規則正しい生活リズムで検温を心がけてください。

卵胞期、黄体期

 月経を調節している卵巣は、排卵までの期間と排卵後黄体が形成され、退行するまでの期間をそれぞれ卵胞期、黄体期とよび、異なった機能を行っています。8日周期の人では、基礎体温上では卵胞期は低温相、黄体期は高温相を示し、約2週間づつ持続し二相性を示します。

基礎体温から見る月経周期

 先に月経周期は年齢や人それぞれ異なることを説明しましたが、ここでは基礎体温表からどうやって自分の月経周期を知るのかをお話します。

 排卵は月経の14日(±2日)前頃に起こり、受精や着床がなければ月経になります。排卵から次の月経まで(黄体期)の日数は14日前後で誰でもほぼ一定ですが、生理の始まった日から次の排卵までの日数(卵胞期)は個人差がある為、卵胞期が長ければ、月経周期も長くなりますし、逆に短ければ、月経周期も短くなります。

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