支離滅裂な方針変更の繰り返しと無責任発言
ところが最近、従来の方針変更と思える専門家会議の言動の変化が気になる。「四日縛り」が緩くなったり、「妊産婦や重症者は二日待たずとも良い」とかであるが、中等症にして人工呼吸器装着相当であるからとっくに入院レベルなのに話の内容も支離滅裂だ。揚げ足を取るつもりはないがこと命に係わること、正確を期して貰いたい。そもそも39度の発熱で軽症者とは、この上ない厳しい基準だ。このレベルから急激に悪化する事例報告は枚挙に暇がない。まだまだ判らない部分が多いこのウィルスだけに感染者への対応はより慎重で在るべきだ。
話を方針変更に戻すが、専門家会議の広報官覚しき方が、あの悪しき「四日縛り」について、四日間自宅待機せよとは言ってないと述べた。未だにこの影響があるのに言語道断の発言だ、方針変更に当りそう云わざるを得ないのか、科学者らしからぬ態度だ。方針変更即ち失敗だ、人命に係わる事であるからして変更しますでは済まされない。
国民に厳しい行動自粛を求めなら、そこに至ってしまった経緯を説明すべきだ。こちらからも聞きたい。何故、韓国方式をしなかった。発熱外来を進めなかった。最低これだけには答えて欲しい。ただし従来の説明は理由にならい、自治体や団体、臨床医の方が既にやっているから。
以前と変わらぬ生活を取り戻すには簡単には行かないこと多くの人が思い始めているでしょう、我々も覚悟をしなければならない。それを求めるなら今までの方針が無かったかのようにコッソリとやらず、失敗を認めてからにして欲しい。
(文=伊沢二郎)
編集部注
注1)国立感染症研究所
注2)新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
※医療バナンス学会発行「MRIC」2020年5月18日より転載(http://medg.jp/mt/)