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医薬品添加物の評価やリスク検証は、日々更新され続ける必要がある

安定剤から保存剤、乳化剤、着色剤まで489品目もある医薬品添加物

 国内の医薬品添加物の状況はどうだろう?

 日本薬学会の薬学用語解説のサイト(第16改正日本薬局方の製剤総則)によれば、医薬品添加物は、医薬品に含まれる有効成分以外の物質で、有効成分の有用性(安定性)を高め、製剤化を容易にし、品質の安定化を図り使用性を向上させるために、ほとんどすべての医薬品に添加されているという。

 ただし、医薬品添加物は、投与量において薬理作用を示さず、無害であるため、有効成分の治療効果に影響を及ぼさない、とされている。

 「医薬品添加物規格2018」(厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課)によれば、医薬品添加物は489品目もあり、医薬品添加物は、用途によって賦形剤、安定剤、保存剤、緩衝剤、矯味剤、懸濁化剤、乳化剤、着香剤、溶解補助剤、着色剤、粘稠剤などに分類される。

 最近は医薬品の製剤技術の高度化や投与経路の多様化で、新機能を備えた医薬品添加物の開発が進んでいるようだ。

 しかし、医薬品添加物は、医薬品として医師より処方されることから、患者による選択や中断などの判断は困難であり、長期間にわたって利用する患者に及ぼす悪影響の不安は避けられないだろう。

 したがって、新たな有用性(安定性)のために開発される新規の医薬品添加物の無害(安全性)の評価やリスクの検証は、当然のことながら不可欠だ。

 医薬品添加物の安全性の評価の問題点を指摘する報告がある。(「医薬品添加物の最新動向と 安全性評価」医薬品医療機器総合機構/笛木修氏)

 報告によると、安全性の評価は、全く新規の添加物の場合なら添加物メーカーが収集したデータによって行う場合が多い。

 一方、従来から使用実績があり、新規性が低く、前例量を超える添加物の場合は、安全性試験データ、投与経路が異なる前例データ、文献情報、食品添加物での使用実績、化粧品・医療部外品での使用実績、有効成分での 使用実績、類似化合物の前例データ、海外での使用実績、生体内成分の知見など、全ての情報を活用しつつ、総合的な推論によって行わなければならない。

 厚生労働省は3月19日、薬品に関する「『使用上の注意』の改訂について」という通知を出した。この中で、「添加剤としてソルビトールや果糖を含有する静脈点滴製剤では、『遺伝性果糖不耐症の患者』に投与した場合、低血糖、肝不全、腎不全などが誘発される恐れがあり慎重投与が求められる」としている。

 この種の日常的に広く医療現場で使用されている静脈点滴製剤でさえ、常に安全情報は更新されていく。医師に処方された薬剤に対して、少しでも気になったら以下のデータベースなどで更新情報に注意しておきたい。
(文=編集部)

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