インフルエンザワクチンの副反応はどうか?
有効性と同時に気になるのがインフルエンザワクチンの副反応だ。接種を受けた人の10%~20%で、接種した場所の赤み(発赤)、はれ、痛みなどが起こるが、通常2~3日でなくなる。また、接種を受けた人の5%~10%で、全身性の反応として発熱、頭痛、寒気(悪寒)、だるさ(倦怠感)などが見られるが、こちらも通常2日~3日でなくなる。
重い副反応として厚労省は、ギラン・バレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、痙攣、肝機能障害、喘息発作、血小板減少性紫斑病などの報告があるとしているが、ワクチン接種が原因とは断定していない。
ワクチン接種は必ず受けられるわけではない
ただし、重要な注意点がある。医師が健康状態や体質にもとづいて、ワクチンの接種を受けられるか判断する必要がある人もいる。
以下のような症状がある人は、ワクチンを受けるかどうか医師と相談したい。
・明らかな発熱を呈している者
・重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
・インフルエンザ予防接種の接種液の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
・インフルエンザの定期接種で接種後2日以内に発熱のみられた者、及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
以下の疾患などがある場合も医師ときちんと相談したほうがいいとされている。
・心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者
・過去にけいれんの既往のある者
・過去に免疫不全の診断がされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
・接種しようとする接種液の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
今シーズンのワクチンの供給量は、平成30年8月の時点で、約5300万回分(約2650万本)を供給予定だ。最近の実績から判断すると、供給量は十分と見込まれる。接種を受ける場合は、各市町村(保健所・保健センター)、医療機関、かかりつけの病院などで予約が必要だ。
(文=編集部)