腰椎分離症 発症率5%程度、スポーツ選手では約30~40%
原因は何か?
体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや体幹の前後屈、回旋を繰り返し行うと、腰椎の後方部分に亀裂が入って腰痛が起こる。腰椎上関節突起と下関節突起との間で、椎弓根部の骨連続性が途絶した状態で、骨折と同様の病態だ。発症率は、一般人は5%程度だが、スポーツ選手は約30~40%と高い。
症状は、腰部痛、臀部痛、大腿外側の鈍い痛みを伴う。脊柱起立筋の緊張が高まり、背中を反らすと腰痛が増強しやすい。長時間の運動だけでなく、長時間の立位、座位、中腰姿勢でも起こりやすいが、椎間板ヘルニアにみられる神経麻痺は伴わない。
診断は、腰椎レントゲンによって45度斜位像を撮像し、テリア(犬)の首輪といわれる分離部を確認する。CTなら、分離部が確認しやすく、椎間板ヘルニア(椎間板の突出像)との鑑別に有用だ。
治療は、保存療法が第1選択になる。保存療法を選択した場合でも骨癒合(6~12ヵ月)か、疼痛軽減(1~3ヵ月)かによって安静期間が異なる。
疼痛対策は、温熱ホットパック、低周波、干渉波などの物理療法、消炎鎮痛剤の投与が主体だ。体幹の保護に幅広の腰ベルト(コルセット)も活用する。疼痛が軽減すれば、体幹のストレッチング、腹背筋訓練などを開始する。
分離部の動揺性が強い場合は、骨移植手術、脊椎固定術などを行うケースもある。
ちなみに、13~14歳のジュニア期をピークに、男子の発症が圧倒的に多い。野球、バレーボール、バスケットボール、サッカー、柔道、ラグビー、ウエイトリフティングなど、頻回に体幹の前後屈、回旋を行うスポーツに好発しやすい。
大竹の発症の真因は不明。習慣的な立位、座位、中腰姿勢などかも知れない。「大竹まこと ゴールデンラジオ」は、11年以上も続いている人気番組だ。早期の復帰を待とう。
(文=編集部)
*参考:「腰椎分離症・分離すべり症」
日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spondiyolysis.html
ザムスト
https://www.zamst.jp/tetsujin/waist/spondylolysis/