体感温度「30度未満」でも熱中症に注意
6月29日、気象庁は「関東甲信地方が梅雨明けしたとみられる」と発表した。平年(7月21日頃)より22日早く、昨年(2017年)より7日早い(7月6日頃)。関東甲信地方が6月に梅雨明けするのは、観測史上、初めてだという。
東北南部も7月14日頃に梅雨明けしたとみられると発表。こちらも平年(7月25日頃)より11日も早い。梅雨がない北海道を除けば、残すは東北北部のみとなった――。
梅雨が明ければ本格的な夏の到来だ!
「海の日」の祝日を含む7月14日〜16日の3連休、日本列島は猛暑に襲われた。連休最終日の16日には岐阜県揖斐川町で今年最高となる39.3度を記録した。
共同通信の集計では、熱中症と見られる症状の救急搬送は、16日だけで全国で2020人にのぼり、新潟、愛知、静岡、三重の各県で5人が死亡。この3連休では、計5616人が搬送され、搬送当日に亡くなったのは14人だった。
厳しい暑さは今後も続く見通しで、気象庁は熱中症への注意を呼び掛けている。ちなみに熱中症は、身体が高い気温に慣れていない梅雨から夏の初めの頃が特に危険で、注意を要する必要があるという。
摂氏30度でも熱中症で死に至る可能性が
熱中症については、これまで当サイトでも数々の記事を配信してきたが、米疾病対策センター(CDC)発行の『Morbidity and Mortality Weekly Report』(7月6日号)に、熱中症に関する最新研究が掲載された。
屋外で長時間の作業に従事する人は、熱指数(Heat Index:体感温度)が摂氏29.4度程度であっても熱中症で死に至る可能性のある――。
先の研究で、このような結果を導き出したのは、米国労働安全衛生局(OSHA)のAaron Tustin氏らによる研究チームだ。
同氏らが屋外作業中に熱中症になった25症例を検討したところ、死亡した14例中6例は作業時の熱指数が32.8度未満であったことが分かったという。
この研究でTustin氏らは、2011~2016年に屋外での勤務中に発生した熱中症の25症例に着目。このうち14例が死亡。それぞれの症例について、熱中症のリスク因子の保有状況や熱への順化度(暑い作業環境に身体が適応できていたかどうか)、仕事量や作業負荷、服装について詳しく調べた。
その結果、25例中12例が、肥満や糖尿病、高血圧、心疾患、降圧薬や利尿薬などの特定の薬剤や違法薬物の使用といった、熱中症のリスク因子を1つ以上保有していたことが分かった。