吉岡里帆と田中圭は生活保護のリアルに迫れるか?
ドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』の原作は、雑誌『ビッグコミックスピリッツ』に掲載の柏木ハルコによる人気コミック。すでに単行本6冊が刊行され、豊富な取材に基づくリアルな描写やストーリーは高い評価を得ている。
ドラマで主人公の新人ケースワーカー「義経えみる」を演じるのは吉岡里帆。『きみが心に棲みついた』(TBS系)に続く、連続ドラマ主演となる。
「水着グラビアはやりたくなかった」と下積み時代を吐露したことでも知られている吉岡だが、18歳から唐十郎の舞台などに立つ演技志向。シビアなテーマに迫る今回のドラマでは、その実力をいかんなく発揮してほしい。
そして、義経の上司である「京極大輝係長」役は田中圭。人気ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で、男性から好意を寄せられる会社員を絶妙に演じ、多くの女性の支持を得た。
田中扮する上司・京極は、財政への意識が高く、受給者に厳しいキャラクター設定だ。今が旬の彼の配役によって、ドラマの視聴層の幅が広がり、貧困や生活保護の現実に関心をもつ人が増えてほしい。
とかくテレビドラマは、小綺麗な場面作りをしてしまうもの。生活保護受給者の支援にあたるケースワーカーの世界をどこまでリアルに見せてくれるのか、一抹の不安はある。
だが、生活保護という、なにかとネガティブなイメージがもたれがちなテーマが、ゴールデンタイムのドラマでクローズアップされる意義は大きい。この異色のドラマのスタートに期待を寄せたい。
(文=編集部)