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【シリーズ「AIと医療イノベーション」第26回】

AI診断プログラムを米国食品医薬品局が初承認! 眼底カメラの画像から糖尿病性網膜症を診断

ますます加速するFDAのデジタルヘルス・イノベーション

 FDAのゴットリーブ局長のメッセージを聞くまでもなく、FDAがデジタルヘルス・イノベーションという台風の目になっているのは、誰の目にも明らかだ。特に昨年(2017年)からの加速は目まぐるしい。

 たとえば、FDAの「Pre-Certパイロットプログラム」だ。このプログラムは、デジタル技術を用いたイノベーションを適切に評価し、医療用ソフトウエアの承認プロセスをスピーディに進めるために、FDAが2017年7月に立ち上げた「事前認定プログラム」だ。

 プログラムは、医療用ソフトウエアの有効性や安全性をめざす企業のソフトウエアの設計、メンテナンス、品質管理の承認プロセスを事前に審査する。FDAの基準を満たす企業を認定できるため、審査が効率化し、イノベーションを適切に臨床現場に届ける狙いがある。

 プログラムへの参加を認定されたのは、Apple社、Fitbit社、Johnson & Johnson社をはじめ、Pear Therapeutics社、Phosphorus社、Tidepool社、Verily社、スイスRoche社、韓国Samsung Electronics社の9社。

 日本では2014年末に医薬品医療機器等法(薬機法)が施行され、スマートフォンアプリなどのソフトウエアが医療機器として承認され、保険収載されているアプリもある。

 厚労省やPMDA(医薬品医療機器総合機構)は、FDAの動向を見据えながら、デジタルヘルス分野の承認プロセスに新たな施策を打ち出す可能性が高い。
 
 冒頭に紹介した「AI診断プログラムの初承認」。それは、ビッグデータ、AI創薬、IoT、ウェアラブル、センシング、診断支援などのデジタルヘルスウエアのイノベーションを迅速化したいFDAの力強いアクションの一つに過ぎない。AIは、どこまで進化するのだろう?
(文=佐藤博)

*参考:日経デジタルヘルス2017年12月13日
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/word/15/327920/121100037/?ST=health

佐藤博(さとう・ひろし)
大阪生まれ・育ちのジャーナリスト、プランナー、コピーライター、ルポライター、コラムニスト、翻訳者。同志社大学法学部法律学科卒業後、広告エージェンシー、広告企画プロダクションに勤務。1983年にダジュール・コーポレーションを設立。マーケティング・広告・出版・編集・広報に軸足をおき、起業家、経営者、各界の著名人、市井の市民をインタビューしながら、全国で取材活動中。医療従事者、セラピストなどの取材、エビデンスに基づいたデータ・学術論文の調査・研究・翻訳にも積極的に携わっている。

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