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【本能で楽しむ医療ドラマ主義宣言! 第12回】

海外ドラマ『グッド・ドクター』で自閉症のレジデントは名医になれるか?

『チャーリーとチョコレート工場』の天才子役が挑む主人公

 このドラマで一番私に引っかかってくるのは、主人公が不器用ながら一生懸命に生きている様にです。もの事のとらえ方が人と違うことがどれだけ生きずらいのか、そして本人も葛藤し苦労していること、さらに1つのずば抜けた能力を引き出すことでその人の立ち位置が決まり周囲に一目置かれるようになる。これって学校生活や大人社会にも重なる現象ですよね。人と違っていい!ということをこのドラマを見て伝えることができるかも?

 ここまでの設定を聞いただけでも興味深々でしたが、『Good Doctor』の制作には『DrHouse』のテヴィッド・ショアと『Hawaii FiveO』のダニエル・デイ・キムがかかわっています。ダニエル・デイ・キムはこの制作のためにFiveOを降りたのか?

 そしてショーンは『チャーリーとチョコレート工場』の天才子役で一躍有名となったフレディ・ハイモア。決してイケメンではない彼ですが、一風変わった演技には目を引くものがあります。大きくきれいな目を見開いて涙がちゃぷちゃぷあふれてくるシーンなどは、素晴らしいものがあります。

 強引に彼をレジデントとして迎え入れようとする病院長が、反対する幹部を説得して彼を雇う一つの理由が「皆でいい人になろう」との主張です。多様性を十分に活かしきれてこそ<Good society>ということでしょうか? 彼のピュアな心に触れ、人々はどう変わっていくのでしょうか?

 医者のエゴが丸見えの病院では、一波乱起きることは間違いなしと容易に予感させます。『ナイトシフト 真夜中の救命医』がいまいちつまらなくなっていた私にとっては、久しぶりに毎週見るのが楽しみな海外医療ドラマが始まりました!


海外ドラマ『グッド・ドクター』で自閉症のレジデントは名医になれるか?の画像2

井上留美子(いのうえ・るみこ)
松浦整形外科院長
東京生まれの東京育ち。医科大学卒業・研修後、整形外科学教室入局。長男出産をきっかけに父のクリニックの院長となる。自他共に認める医療ドラマフリーク。日本整形外科学会整形外科認定医、リハビリ認定医、リウマチ認定医、スポーツ認定医。
自分の健康法は笑うこと。現在、予防医学としてのヨガに着目し、ヨガインストラクターに整形外科理論などを教えている。シニアヨガプログラムも作成し、自身のクリニックと都内整形外科クリニックでヨガ教室を開いてい。現在は二人の子育てをしながら時間を見つけては医療ドラマウォッチャーに変身し、joynet(ジョイネット)などでも多彩なコラムを執筆する。

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