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検証される1万5000人以上に強制した不妊手術~裁判で「優生保護法」の違憲性を問う

国は、あくまでも争う姿勢

 国の権力により、本人の意志を無視して「子どもを作るべきではない」と判断し、強制的に不妊手術を受けさせるなどという行為は、人道的に決して許されない。

 だが、現在、仙台地裁で争われている訴訟では、国は「当時は合法だった」と、あくまでも争う姿勢だそうだ。

 ハンセン病の強制隔離政策に対する国家賠償訴訟では、2001年に国の責任が全面的に認められた。この強制不妊手術の問題は、それと比類する誤った国家政策であり、司法の正当な判断がいま求められていると言えよう。

 今回の訴訟を受けて、自民・公明の両党のワーキングチームは、議員立法による救済法案を、2019年の通常国会に提出することを検討しているという。

 強制不妊手術を受けさせられた人の多くは、現在すでに高齢であり、子供を持つことが叶わなかったという人生を、もう一度やり直すことはできない。

 しかし、いや、だからこそ、国が犯した重大な過ちを、国の責任によって検証し、省みるべき時が来ているのではないだろうか。
(文=編集部)

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