「ネット自傷行為」も実際の自殺の前触れである可能性が(depositphotos.com)
神奈川県座間市で発生した男女9人が犠牲になった殺人事件では、twitterで「死にたい」などとつぶやいた人が、容疑者のターゲットとなった。
「ネット上で自殺願望をつぶやく行為」が、リアルな現実で最悪の事態をもたらしたこの事件は、ネットのあり方そのものに課題を突きつけた。
そんな中、アメリカで「ネット自傷行為」というショッキングな言葉を定義する論文が、『Journal of Adolescent Health』(9月18日オンライン版)に掲載された。
中高生の約6%に「ネット自傷行為」の経験
この論文によると、「ネット自傷行為」とは「実際に身体を傷つける自傷行為」をネット配信するわけではなく、「ソーシャルメディアやゲーム、WEBフォーラム、メールなど、あらゆるネットワーク上の環境で『自虐的な内容』を投稿したり送信したりすること」だという。
上記のように定義し、それを裏付ける研究を実施したのは、米フロリダ・アトランティック大学ネットいじめ研究センターのSameer Hinduja氏らである。
研究の結果、2016年に12〜17歳の中高生5593人のうち「約6%」に「ネット自傷行為」の経験があることが明らかになったという。