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【インタビュー「血糖値を上手にコントロールする年末年始の過ごし方」前編:角田圭子医師(駅前つのだクリニック院長)】

年末年始の血糖コントロール~「1日3食欠かさず食べる」の思い込みは捨てよう!

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年末年始の血糖コントロール術(depositphotos.com)

 年の瀬が押し迫ってきて、仕事や家事に忙しい日々を過ごしている人も多いだろう。そしてこれから増えるのが、忘年会や新年会といった宴会。糖尿病予備軍の人もそうでない人も、血糖値と体重が気になるのではないだろうか。

 血糖値をコントロールしながら、年末年始を楽しく過ごすコツを、糖尿病外来を中心とした内科クリニックの「駅前つのだクリニック」(東京都杉並区)の角田圭子院長に訊いた。

1週間のゆとりをもって調整すればよい

 「1年の中で、糖尿病が最も悪化しやすいのが、1~2月なんです」と角田医師は語る。忘年会や新年会などの宴会でアルコールや食事の摂取量が増える上、寒さで外出する機会が減って運動量も減る。その悪影響が1~2月に現れるのだ。

 だからといって、付き合いもあるし、宴会に出ないわけにもいかない。それに、せっかく参加するのならば、みんなと一緒に食べて飲んで、ワイワイ騒いで楽しく過ごしたいものだ。

 「ですから、私は患者さんに『たまの宴会まで我慢しなくてもいいですよ』と伝えています。その代わり『1週間かけて摂取量を調整しましょう』と声をかけています」と角田医師。

 たとえば今晩、忘年会があるとしよう。だったらその日の昼食を控えめにする。また、宴席の翌朝に食欲がなければ、無理に朝食はとらない……。このように1回の食事量を増減させたり、食事を抜いて、1週間のゆとりをもって調整するわけだ。

「1日3食、欠かさず食べなければいけない」という思い込み

 「1食抜いて食事をすると血糖値が急上昇する――。一般的には、そう考えられているようです。ところが、私や患者さんが実際に『フラッシュグリコースモニタリング』という血糖の推定値が持続的に記録される機器を用いて確認したところ、これは当てはまりませんでした」

 角田医師のケースでは、宴席で3時間ほどかけてコース料理を食べたところ、血糖値が穏やかに上昇したのに対し、仕事の合間に慌ててカップ麺やおにぎりを食べた後には急激に上がった。

 「さまざまなデータを検証した結果、『3食、欠かさず食べなければいけない』という思い込みは捨てたほうがいいと私は考えます。おなかが空いていないのに『何か食べておかなければ』と手頃な炭水化物で食事をすると、血糖値に悪影響を与えます」

 一方、「食べた実感がないのに、なんとなく口に入れてしまう」ということで、この時期に注意したいのは、みかんなどの果物だ。<テレビを見ながらこたつに入っていると、つい3つも4つもみかんを食べて……>ということはないだろうか。

 「果物の多くが、食べた直後に<ガツンと血糖値を上昇>させます。どのくらいの量を食べたのかチェックすることが大切です。また、空腹の時間を作るのは、極端に長くなければ決して悪いことではありません。メタボの人は、胃を小さくすることで食事量を減らす効果も得られます」(角田医師)

 実際、消化器の専門医である角田医師の夫は、91キロから68キロまで体重を落とすことに成功した。生活習慣を正して空腹の状態を作ると、次第にたくさんの量を食べられなくなるということだ。

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