処方された2種類の睡眠薬に疑問の声
現在、精神科や心療内科では、同じ種類の薬を複数処方しないようにしようという流れが主流だ。その意味では、睡眠薬が2種類処方されている今回のケースには、医師の方針に疑問を投げかける向きもある。
実際、6月18日放送『サンデー・ジャポン』(TBS)では、医師の奥仲哲弥氏が「2種類の睡眠導入剤を飲んで、さらに眠気の副作用があるアレジオンを通常の2倍量飲んでいる。相乗効果で1時間もあれば完全に寝てしまう」と指摘。
これを受けて、女医でタレントの西川史子氏が「これを本当に医者が処方していたなら、医者も悪いと思う」とコメントした。
だが、今回の一件で最大の問題は、やはり外出先で睡眠薬を飲み、その後運転しようとしたことだろう。
注意書きを安易に考えるな
通常、睡眠薬が処方された際の注意書きには、「眠気、注意力の低下」が喚起され、「車の運転や機械の操作は控えて下さい」などと記してあるはずだ。まさか、処方した医師が服用後の運転を認めていたわけでもあるまい。
堤下氏は会見で、「銭湯から自宅まで車で10分。帰宅してちょうど寝られると思い、薬を飲んでしまった」と語っている。
「眠れない」のは本当につらいもの。患者の切実な求めに応じて医師が複数の薬を一度に処方してしまうこともあり得る。不眠に悩む者としては、眠くなるタイミングを見計らい服薬を試みるのは当然の成り行きだ。
しかし、睡眠薬に限らず、薬の注意書きを安易に考えないほうがいい。特に運転にまつわる禁忌事項は、絶対に御法度である。今回の一件が、睡眠薬を服用するドライバーの教訓となった――と捉えれば、堤下敦も少しはぐっすり眠りにつけるだろうか。
(文=編集部)