コルセットのもつ「心理的な安心感」
コルセットの意外に重要な役割として「心理的な安心感」というものも報告されている。コルセットをしていることで恐怖を感じないで日常生活を送ることができるのであれば、それはコルセットの効果の一つといっていいだろう。
しかしながら、コルセットに頼りすぎる、すなわち依存的になってしまうことは逆効果になってしまう。ここでもコルセットを外す時期は、医師や理学療法士などの専門家に確認するのが良いだろう。
前述のことをまとめると、コルセットの着用は、「急性期の腰痛(ギックリ腰)の際に、なるべく早く日常生活に戻るために動きの負担を減らす」「手術後の腰部保護として一定期間着用」が正しい使い方かもしれない。
一方、数年前からなんとなく腰が痛いなどの慢性化している腰痛に対しては、コルセットはあまり効果がなく、むしろコルセットに依存してしまう危険性が指摘されている。
腰痛にはタイプがあり、それによって解決策もさまざまだ。なんとなくコルセットを巻いている人は、一度、医療機関で、医師や理学療法士に自分の腰痛タイプには本当にコルセットが必要なのか? 相談してみるのが良いだろう。
●参考論文
Takasaki, H., & Miki, T. (2017). The impact of continuous use of lumbosacral orthoses on trunk motor performance: A systematic review with meta-analysis. Spine Journal.
van Duijvenbode, I., Jellema, P., van Poppel, M., & van Tulder, M. W. (2011). Lumbar supports for prevention and treatment of low back pain. Cochrane Database of Systematic Reviews, 2(2).