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太りたくなければ食事中はTVやスマホは消せ! 「ながら食べ」で肥満が4割も増加

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食事中にテレビを見る習慣がある人は……(depositphotos.com)

 子どもの頃、食事をしながらついついテレビに夢中になってしまい、「行儀が悪い!」と親に叱られたことはないだろうか。

 ベネッセコーボレーションが2013年に小学生の子どもを持つ親2400人余りを対象に調査したところ、約半数の46.8%の家庭が「夕食の時間に毎日テレビをつけている」と回答。「たまにつけている」は27.3%となり、合計74.1%に上った。

 そして、毎日テレビをつけている家庭の約8割が「食事中のテレビについて子どもに注意する」と答えている。(出典:ベネッセ教育情報サイト)

 親の多くは、食事中にテレビを見ることが「マナー的に望ましくない」と考えているはずだ。しかし自分も見たい番組がある、家族の話題作りになるなどの理由で、何となく食卓風景の一部になっているといったところだろう。

 しかしテレビを見ながら食事をすることが、もしかすると健康に影響する……肥満のリスクを上げる可能性があるとしたら、どうだろうか?

「個食」よりも「テレビ」のほうが危険

 テレビと肥満の関連性についての論文を発表したのは、米オハイオ大学の研究グループ。米栄養学会機関誌『Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics』(電子版)で3月末にリリースされた。

 今回の調査は、オハイオ州に住む成人1万2842人を対象に、その食生活や食習慣を分析したものだ。

 これまでの研究で、1人で食事をする子どもは、家族と一緒に食事をする子どもよりも太りやすいことがわかっている。そこで、大人でも食事をするときの人数や毎日の食事習慣が、肥満と関連するかを調べたのだ。

 アンケートでは、体重と身長を申告してもらい、BMIが30以上の人を「肥満」と定義(日本での基準は25以上)。今回の対象者では約3分の1が肥満だった。さらに、一緒に食事をする人数や、外食と自宅で食事をする頻度、食事中テレビを見る頻度などについても回答してもらった。

 すると、家族と週に6~7日一緒に食事をする人は52%、1日おきにする人は35%、週に1~2回という人は13%。また、ほぼ毎回テレビを見ながら食事をする人が全体の3分の1に上り、まったく見ない人は36%にとどまった。

 これらの結果を分析した結果、まず今回のような大人の場合は、1人で食事をすることが多くても、友人や家族と食事をすることが多くても、肥満との関連はみられなかった。

 また、家で手作りした料理を食べる機会の多い人は、外食をしたり、テイクアウトや加工食品を食べたりする機会が多い人に比べて、肥満になるリスクが26%低かった。

 そして意外なことに、もっと肥満になるリスクが少ないのは「食事中にテレビを見ない人」だった。食事中にテレビを見ることが多い人に比べて、肥満になるリスクは37%も低くなった。

 従来は「個食は肥満リスクを上げる」と問題視されてきた。しかし、今回の研究結果を見ると、そのことはあまり重要ではないらしい。家族や友達と一緒であっても、食事を手作りする回数が少なく、「習慣的にテレビを見ながら食べる」ほうが太りやすいことがわかったのだ。

 研究グループのリーダーであるレイチェル・チューミン教授は「テレビを見ながらの食事だと、大人は知らず知らずのうちに量を多く食べすぎるのかもしれません。テレビやビデオなしで、手作り食を勧めます」と述べている。

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