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【シリーズ「子どもには絶対に使ってはいけない生活用品」27回】

トランプ大統領のアメリカ第一主義で日本に「アルミニウム」の添加物が押し寄せる!

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米国から「アルミニウム」が含まれる添加物が!(depositphotos.com)

 トランプ米大統領の誕生で、TPP(太平洋経済連携協定)は崩壊しましたが、日本の食の安全への脅威はますます強まっています。オバマ前大統領は日本がTPPに参加する条件として、「サイドレター(TPP交渉参加国との間で作成する文書)」の履行を日本に求めてきました。安倍首相がこれに同意したことから、ぎりぎりになって日本はTPPへの参加が認められたのです。

 アメリカファースト(アメリカ第一主義)を前面に打ち出すトランプ大統領は、TPPは米国の利益を損なうとして、TPPから離脱。実質的にTPPは解体しました。当然、サイドレターの履行を日本が行う必要はなくなったわけです。

 ところがトランプ米政府は、TPPに関係なくサイドレターの履行を日本に求めているのです。先日の日米首脳会談でも、トランプ大統領はサイドレターの履行を安倍首相に求めたと伝えられています。

 サイドレターというのは、TPP実効のため、取り除く必要のある国内制度が、項目ごとに細かく書かれた文書です。たとえば、日本の「衛生植物検疫」に関しては、次のように明記されています。

 「収穫前及び収穫後の両方に使用される防かび剤について、農薬及び食品添加物の承認のための統一された要請及び審議の過程を活用することにより、合理化された承認過程を実施する」

 つまり「日本は早く新たな防カビ剤を食品添加物に指定しろ」というわけです。

レモンの農薬から始まった日米貿易戦争

 米国から輸入される、レモンやオレンジ、グレープフルーツなどには、ポストハーベスト(収穫後に使用される農薬類)といって、防かび剤が使用されています。日本ではポストハーベストは認められていませんので、ポストハーベストされた果実類は、食品衛生法違反になり日本国内で販売することはできません。

 そのため、「日米レモン戦争」が勃発したことがあります。1975年4月、農林省(当時)の試験場で行われた検査で、米国から輸入されたレモン・グレープフルーツなどの柑橘類から防カビ剤のOPP(オルトフェニルフェノール)が多量に検出されました。このため、倉庫に保管されていた大量の米国産レモンなどは不合格品として、海洋投棄されたのでした。

 この事実を知った米国政府は「日本は太平洋をレモン入りカクテルにするつもりか」と憤慨、日本からの自動車輸出を制限するなど「日米貿易戦争」にまでなりました。そして2年後、日本は発がん物質であるOPPの解禁を決定したのでした。自動車輸出の代償として、国民の健康を犠牲にしたわけです。

郡司和夫(ぐんじ・かずお)

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法政大学卒。食品汚染、環境問題の一線に立ち、雑誌の特集記事を中心に執筆活動を行っている。主な著書に『「赤ちゃん」が危ない』(情報センター出版局)、『食品のカラクリ』(宝島社)、『これを食べてはいけない』(三笠書房)、『生活用品の危険度調べました』(三才ブックス)、『シックハウス症候群』(東洋経済新報社)、『体をこわす添加物から身を守る本』(三笠書房・知的生き方文庫)など多数。

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